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2024年11月11日月曜日

にぎやかな宵の西空(紫金山ーアトラス彗星と夏の星雲)(11月8日)

                          (左)紫金山ーアトラス彗星(C/2023 A3)は夕暮れ時かなり高い位置にあり長時間観察が容易になってきました。明るい都会の空でも望遠鏡を使えば依然として尾をはっきりと捉えることができます。まだしばらくは楽しめそうです。撮影条件:スカイウオッチャー40cm反射/キャノンEOS6Dカメラ、ISO3200、露出10秒、2024年11月8日18時6-9分. 11枚をDSSスタック。自宅にて。

はくちょう座デネブ近くの北アメリカ星雲(上左)とペンギン星雲(上右)の部分的拡大です。有名な星雲なので全体像はよく知られていますが、大きな星雲なので部分的に拡大されるとわかりにくいものです。左は北アメリカのメキシコ湾、右はペンギンの顔とくちばしの拡大です。青く光る星はペンギンの ”眼”ではありません。撮影条件:スカイウオッチャー40cm反射/キャノンEOS6Dカメラ、ISO12800、露出10秒、2024年11月8日18時6-9分. 130枚(左)、50枚(右)をDSSスタック。自宅にて。









2024年11月5日火曜日

Seestarで撮った紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3))(10月30日)

 Zwo Seestar S50で撮影した紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3 )です。10秒ごとに撮像して6分間スタックした画像でとくに加工処理は加えていません。通常撮影よりスタック数が多いためか画像はしっかりしていてまだまだ余裕がありそうです。Seestarは彗星の観察撮影に適性が高いですね。撮影開始時刻2024年10月30日18時31分。うすずみ温泉にて。
 

2024年11月4日月曜日

遠ざかる紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3))(10月30日)

 
紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3))は散開星団 IC4665(画像内右側)の西側を通過中で地球から遠ざかりつつあります。21日に比べると明るさは4.4等くらいから5.6等くらいに、尾の長さは半分以下になっているようです。観測条件は良好なのでこれからはもう少し大きな望遠鏡による追跡にバトンタッチです。撮影条件:サムヤン80mmレンズ(F1.4, 今回はF2.8で使用)/キャノンEOS60Dカメラ、ISO   1000、露出30秒、2024年10月30日18時36-43分. 11枚をDSSスタック。本巣市根尾門脇 うすずみ温泉にて

2024年10月28日月曜日

沈みゆく紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3))(10月21日)

 
沈みゆく紫金山-アトラス彗星です。撮影当日は空の透明度が高く、彗星核ばかりでなく淡いテイルまでもが地平付近の低空で見えていました。このような機会は少ないのではないかと思い経時的変化を記録しアップしました。雲が邪魔をしていますがテイルとは区別できます。撮影条件サムヤン80 mm レンズ(F1.4, 今回はF2.8で使用)/キャノンEOS60Dカメラ、ISO800、露出10秒、2024年10月21日 1)19時50分  2)20時02分 3)20時06分 4) 20時09分. すべて一枚撮り。本巣市根尾門脇  うすずみ温泉にて。

2024年10月24日木曜日

Seestar S50で撮った紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3 )(10月21日)

紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3 )を前項と同じ根尾のうすずみ温泉でZwo製のSeestar S50で撮影した画像です。10秒ごとに撮像して11分間スタックした画像で加工処理は加えていません。 撮影開始時刻2024年10月21日19時38分。岐阜県本巣市根尾うすずみ温泉にて

2024年10月23日水曜日

根尾うすずみ温泉郷で見た 紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3 Tsuchinshan-ATLAS)(10月21日)

  昨日初めて紫金山-アトラス彗星を撮影できたことが励みとなり、長い尾をできるだけ暗い空で撮影しようと本巣市根尾にでかけました。しかし期待に反し、日没後の西空にはたくさんの雲がわき始め、とても観測は不可能かと思われた19時近くになって急速に雲がなくなって西空が晴れ上がりました。それから彗星が沈むまで機材をフル回転。忙しさと幸せが一杯の30分間でした。以下にその成果を披露します。

 二つの光学系で撮影した紫金山-アトラス彗星です。市中の明るい空では尾は短くしか映りませんでしたが、根尾の暗い空のもとではダストテイルが長く伸びています。濃いダストテイルと、それとは反対方向に伸びる淡いアンチテイルが印象的です。

近くに二つの球状星団、M10とM12があり、80㎜画像に写り込んでいました(下図)。

  タカハシ60mm屈折望遠鏡(f250mm,  F4.1) /キャノンEOS6Dカメラ、ISO800、露出10秒、2024年10月21日19時02-5分. 10枚をDSSスタック。本巣市根尾門脇 うすずみ温泉にて


サムヤン80mmレンズ(F1.4, 今回はF2.8で使用)/キャノンEOS60DカメラISO800、露出10秒、2024年10月21日19時04-09分. 10枚をDSSスタック。本巣市根尾門脇 うすずみ温泉にて

Seestar S50で撮った紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3 )(10月20日)


前項で紹介した紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3 )を同一日にZwo製のSeestar S50で撮影した画像です。10秒ごとに撮像して3分間スタックした画像で特に加工処理は加えていません。 撮影開始時刻2024年10月20日18時53分。近所の川土手にて。

2024年10月22日火曜日

紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3 Tsuchinshan-ATLAS)(10月20日)

 紫金山-アトラス彗星は10月から夕方の空に見え始めましたが、当地では悪天が続き10月20日になってようやく近くの川の土手から雲間に彗星を捉えることができました。肉眼でかろうじてその存在を認められる程度の明るさでしたが、長いダストテイルを引くその姿はかつての大彗星、池谷・関彗星(C/1965 S1)を彷彿とさせました。撮影条件:タカハシ60mm屈折望遠鏡(f250mm,  F4.1) /EOS6Dカメラ、ISO 800、露出10秒、撮影時刻:2024年10月20日18時6-7分. 自宅近くの川土手。

2024年10月6日日曜日

直線の壁(7月27日)(星ナビ11月号に入選)

【作者のコメント】直線の壁を中心に強拡大して見ました。壁内部にも小さなクレーターが見えています。
【星ナビのコメント】直線の壁の段差に西から日が当たっていて白く輝いています。東から日が当たると影ができるので黒い直線になります。直線の壁の上にもいくつかのクレーターができているのがわかります。画面左側のバートクレーターの西隣にはバート谷がありますが、その谷と直線壁の段差とでは、影のつき方の違いがわかります。バート谷は溶岩チューブの陥没の連続までわかります。画面右側の三重構造を作るテビットクレーターも入れて興味深い構図に切り取りました。
【撮影機材、撮影法】スカイウオッチャーDOB16 (D400mm FL1800mm F4.5) + コマコレクター+パワーメイト 5x (合成9000mm F22.5) ZWO ASI178MM Baader IRパスフィルター スカイウオッチャーEQ8-R Pro  2024年7月27日02時26分 10秒間 (200コマ) Autostakkert!3/RegiStax6/ステライメージ9/Photoshop CC  キャノンPIXUS Pro-10S 自宅

 

2024年9月25日水曜日

今朝の木星(9月25日)

 今朝の木星です。ほぼ天頂近くにいてシーイングもまずまずです。これからは観察のチャンスもふえていくでしょう。撮影条件:Sky-Watcher DOB16(40cm f180cm, F4.5)/ 同EQ8R-Pro赤道儀 / バローレンズ5倍拡大、ZWO ASI290MCカメラ ゲイン 365、シャッター 41 ms、2000コマ/39sec。2024年9月25日5時13分。自宅観測所にて。

2024年9月22日日曜日

土星(9月20日)


一昨日の土星です。上が北になります。模様と重なってわかりにくいですが、輪の上側の弧が向こう側に下側の弧が手前にあって土星上に太い影を落としています。7月28日にアップした土星(たまたま右側の「注目の投稿」に掲載)と比較すると、北側がこちらに傾いて輪がやや太くみえます。土星に落ちる輪の影が弧を描いていることからもそのことがわかります。撮影条件:Sky-Watcher DOB16(40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8-Pro赤道儀 / バローレンズ 5x 拡大、Zwo ASI290MC/2000コマ。2024年9月20日21時10分。自宅にて。

2024年9月17日火曜日

仲秋の名月(9月17日)

今夜は仲秋の名月です。ありがたいことに快晴となりました。山の端にかかるシーンを狙うつもりでしたが準備に時間がかかり昇り切った月となってしまいました。撮影データ:キャノン EOS kiss 5x(非換装)/Tamron 28-300mm zoomレンズ(300mmで撮影), ISO100, EXP 1/160sec, 2024年9月17日19時45分、自宅にて。

2024年9月9日月曜日

木星と火星(9月5日)


夜半頃、東から木星と火星が並んで昇ってきます。見かけの直径は木星が火星の6倍ほどあります。木星は観望の好機、火星は小さくて表面の模様はいま一つです。木星面の大赤斑の近くにイオの影が落ちています。
撮影条件:木星:CMI=119.3°、CMII=84.2°、CMIII=203.4° Sky-Watcher DOB16(D40cm f180cm, F4.5)/ 同EQ8R-Pro赤道儀 / バローレンズ で5倍拡大、ZWO ASI290MC ゲイン300、22 ms、3000フレーム。2024年9月5日4時15分。火星:使用機材同上  ゲイン351、38 ms、2000フレーム、9月5日4時39分、自宅にて。

2024年9月6日金曜日

ジャンセン、レイタ谷と南の海(2024年5月14日)(天文ガイド10月号 「読者の天体写真」に入選)

 
【天文ガイド寸評】古川さんの作品は、ジャンセン(画面中央に写っている、内側に複数のクレーターがある大きなクレーター)、レイタ谷(画面左の幅の広い谷)、南の海(月縁に見える海)を40cm鏡で撮影したものです。撮影日はこの方向の月縁が地球に向いて好機でした。【撮影機材、方法】2024年5月14日19時40分 スカイウオッチャーDOB16(D400mm f1800mm F4.5 ニュートン式反射)、バーダーIRパスフィルター、スカイウオッチャーEQ8R赤道儀、 ZWO ASI 178MM モノクロCMOSカメラ 10秒間に撮影した200フレーム、AutoStakkert!3ほかで画像処理、プリントサービス 撮影地岐阜県岐阜市

2024年9月1日日曜日

ある日の観測所風景(8月15日)

 
猛暑の続く日中に観測所のルーフを開けました。鏡筒は太陽に照らされみるみる熱くなります。接眼部にはASI183GTを取り付けたままですので早々にルーフを閉めなくてはなりません。この暑さでは調整作業も無理のようです。バランス調整のためのクランプが鏡筒の下端についています。部屋の奥には、流星撮影用のSkyMemo S、自作のバーチノフマスクが置いてあります。夏の1シーンでした。

アルフォンススとアルザッケル(7月27日)

迷走台風10号のおかげでここしばらくは夜空を見上げる機会が少なくなりました。最強勢力で上陸した台風もここに来てようやく熱帯性気圧となって終息に向かっています。7月末に撮影した月面画像のうち良像をみせてくれたアルフォンススとアルザッケルをモザイク1枚に組み合わせてみました。最近の作の中では良く撮れていると思います。撮影条件:スカイウオッチャーニュートン式反射 (D400mm、f1800mm)/バーダーIRパスフィルター695nm/スカイウオッチャーEQ8R赤道儀/ZWO ASI 178MM CMOSカメラ, 撮影時間10秒/200コマ Image Composite Editorで 2枚モザイク。撮影時刻:2024年7月27日2時24分及び46分、自宅にて


 

2024年8月19日月曜日

今朝の木星(8月19日)

 
日の出時には天頂近くまで昇るようになり観望好機の到来です。今シーズンは南中高度が高く、好シーイングの機会が多くなるでしょう。撮影条件:CMI=326°、CMII=60°、CMIII=175° Sky-Watcher DOB16(40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8R-Pro赤道儀 / バローレンズ で5倍拡大、ZWO ASI290MC ゲイン260、18 ms、2000コマ/39sec。2024年8月19日4時30分。自宅にて。

2024年8月14日水曜日

ペルセウス座流星群(8月12日、13日)

      8月12日20時08分(下記条件1)             8月13日2時56分(下記条件1)  
   
  8月のペルセウス座流星群と12月のふたご座流星群は可能な限り撮影しています。今年のペルセウス座流星群は13日23時頃の極大とのことで、12日夕刻から13日明け方に多く出現が期待されます。この時間帯のはじめは上弦直前の月がてんびん座あって影響しますが没後は絶好のコンディションです。ただし、撮影地は3~4等星がやっと見える自宅の明るい空で、しかも雲が多い予報でしたので、流星の検出数は多くを見込めない状況でした。
 結果、撮影できた流星群流星は4個で、うち2個をトリミングなしでアップしました。画像左はペガサス座の、右はこと座とはくちょう座の境界を流れたものです。見ていないので詳しいことはわかりませんが、撮影条件からいずれの流星ともマイナス等級の明るさと考えられます。珍しいことに、左画像の流星は連写2枚に写っていましたがこれをコンポジット処理すると1個の流星であることがわかりました。ちなみに流星中には黒い間隙があり、1秒間の撮影インターバルに相当すると考えられます。
 撮影方法:1) キャノンEOS6D/サムヤン24mm (F1.2をF3.5で使用 ISO400, 露出20秒, インターバル1秒) 2) キャノンEOS kiss x5/キャノンズーム18-55mm (18mm, F4.0で使用, ISO800, 露出20秒, インターバル1秒)の2台のカメラ/レンズを用いて、ケンコースカイメモSで追尾撮影。いずれも20時くらいから夜明けまで撮影。自宅庭にて。

2024年8月1日木曜日

ティコ周辺(7月28日)

 
ティコの形成は比較的新しく、いまだに壁の内外、周囲には活動の足跡が残されています。特に満月前後の太い月ではティコから周囲に強い光条が何本も伸び出します。撮影条件:スカイウオッチャーDOB16 ニュートン式反射 (D400mm、f1800mm)/バーダーIRパスフィルター695nm/スカイウオッチャーEQ8R赤道儀/ZWO ASI 178MM CMOSカメラ, シャッター速度1/50秒、ゲイン384. 撮影時間10秒/200コマ。自宅にて

クラビウス周辺(7月28日)

 
南部最大級のクレーターです。土星の良像でもおわかりのように7月27-28日未明は好シーイングで、月面の精細な構造が垣間見えました。クラビウスのクレーター底に広がる大中小のクレーターが圧巻です。撮影条件:スカイウオッチャーDOB16 ニュートン式反射 (D400mm、f1800mm)/バーダーIRパスフィルター695nm/スカイウオッチャーEQ8R赤道儀/ZWO ASI 178MM CMOSカメラ, シャッター速度1/50秒、ゲイン398. 撮影時間10秒/200フレーム。

月面南部のクレーター群(7月28日)

7月下旬は秤動によりやや南側がこちらに傾いているため、南端をみるのに好都合です。画像は下弦の月のクラビウス以南を拡大。主なクレーターには名称を記してあります。
撮影条件:スカイウオッチャーDOB16 ニュートン式反射 (D400mm、f1800mm)/バーダーIRパスフィルター695nm/スカイウオッチャーEQ8R赤道儀/ZWO ASI 178MMCMOSカメラ シャッター速度1/5秒、ゲイン384、露出10秒/200フレーム、2024年7月28日01時37分、自宅にて。

2024年7月28日日曜日

輪が細くなりつつある土星(7月28日)

 
今シーズン初めての土星です。昼の猛暑に耐えたご褒美なのか、シーイングは良好です。
輪が細くなっています。昨年8月26日の当ブログをご覧いただくと輪がさらに細くなったことがわかります。2025年(来年)の春には輪を真横から見ることになり見えなくなります。それはそれで楽しみです。撮影条件:Sky-Watcher DOB16(40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8-Pro赤道儀 / バローレンズ 5x 拡大、Zwo ASI290MC/2000コマ。2024年7月28日00時47分。自宅にて。



2024年7月24日水曜日

チューリップ星雲(Sh2-101)(7月6日)

 
はくちょう座のSh2-101星雲、初お目見えです。開いたチューリップに似ていることから「チューリップ星雲」の名で呼ばれます。淡いですが中央部も含めていくつかの暗黒星雲がちりばめられています。もう少し撮影枚数を重ねて明瞭な画像にしたいところです。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO6400, 露出30秒で撮影した10コマをステライメージ9でスタック。撮影時刻 2024年7月6日 23時19分~29分, 自宅観測所にて。

2024年7月23日火曜日

網状星雲東側(NGC6992)(7月6日)

 
引き続き網状星雲東側(NGC6962)です。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO6400, 露出30秒で撮影した20コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年7月6日 23時19分~29分, 自宅観測所にて。

網状星雲西側 (NGC6960)(7月6日)

梅雨が明け、日中は良く晴れて猛暑となりますが、日が落ちるとどこからともなく雲が現われ、すっきりしない夜空が続きます。ということで、今月初旬に撮影したはくちょう座の網状星雲西側(NGC6960)に登場してもらいます。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO6400, 露出30秒で撮影した20コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年7月6日 23時03分~13分, 自宅観測所にて。




 

2024年7月15日月曜日

オメガ星雲(M17)(7月7日)

 

オメガ星雲は明るくて写りの良い星雲ですが、自宅の明るい空のもとではQBPフィルターの使用は避けられません。すでに昨年(2023年8月10日)このブログで公開しています。撮影条件:2024年7月7日21時10-15分、SkyWatcher DOB16 (D400 mm, FL1800mm, コマコレクター), QBPフィルター, EOS6D ISO6400, 露出20秒, 10枚をスタック。

わし星雲(M16)(7月7日)

 

珍しく七夕の夜に晴れ間がありました。南天に難点のある当観測所では、この時刻、天の川南部に望遠鏡を向けることになります。低空につき何かと雲がわきがちで気流も悪いことから苦労が伴います。まず「わし星雲(M16)」です。すでに6月10日に公開していますが、散開星団 M16 (NGC6611) と背景にある散光星雲(IC4703)から成ります。M16星雲の中心部には”創造の柱”と呼ばれる暗黒星雲があり星の新生場所となっています。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO6400, 露出20秒で撮影した10コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年7月7日 21時05分~09分, 自宅にて。


2024年7月11日木曜日

ブルーフラッシュ星雲(7月6日)

                 
ブルーフラッシュ星雲と呼ばれるいるか座のNGC6905星雲です。小型の惑星状星雲は小さいもの明るいのでよく写りますが今回のようにわずかな露出時間で構造を精細に写し出すのは難しいようです。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO6400, 露出16秒で撮影した10コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年7月日 23時32分~37分, 自宅にて。

三日月星雲(NGC6888, Sh2-105)(7月6日)

 

クレセント(三日月)星雲ともよばれる小さな散光星雲です。はくちょう座γの近傍に広がる赤い散光星雲に埋もれていますが、明瞭な輪郭、淡い青みがかった星雲に包まれ、写真写りのよい超新星の残骸(クレムナント)です。撮明度のあまりよくない空での撮影のためか、青色の淡い部分はあまり引き出せませんでした。次回再挑戦です。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO6400, 露出30秒で撮影した20コマをステライメージ9でスタック。撮影時刻 2024年7月6日 23時47分~59分, 自宅にて。


2024年6月30日日曜日

網状星雲(NGC6992)(6月14日)

 
はくちょう座網状星雲のなかでも最も明るいNGC6992の北部分です。東の低空なのでちょっとピントが甘い感じですが非冷却カメラのホットピクセルはあまり目立たないようです。撮影条件:SkyWatcher DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/ZWO ASI183MC CMOSカメラ/QBPフィルター/ GAIN 450, 露出30秒で撮影した10コマをDSSスタック。2024年6月14日時刻不明, 自宅にて。

2024年6月25日火曜日

バタフライ(蝶)銀河(5月8日)

おとめ座の「NGC4567」(左)と「NGC4568」(右)がV字に並んでバタフライ(蝶)のように見えることに由来します。距離は6000万光年、両銀河の相互作用の開始されたタイミングで、約5億年後には合体して一つの楕円星雲になるとのことです。撮影条件:SkyWatcher DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出30秒で撮影した10コマをDSSスタック。2024年5月8日22時17分~23時22分, 自宅にて。

2024年6月24日月曜日

こと座環状星雲(M57)(6月15日)

環状の惑星状星雲として有名なM57は見かけの大きさが小さいものの、明るいのでよく写ります。さらにハッブル望遠鏡やすばる望遠鏡による画像ではリングの外側に淡い膜状の構造(ハロー構造)がみえます。そこで今回の画像(左側)に強い処理を加えてみたところ淡い構造物がうっすらと捉えられているようです(右側)。撮影条件SWDOB16反射(D400mm、FL1800mm)/同EQ8-R PRO赤道儀/ZWO ASI183MCカメラ(非冷却)/サイトロンQBPフィルター, Gain 400, 露出10秒, 22枚をDSSスタック、画像処理。撮影時刻:2024年6月15 日0時7-13分。自宅にて。

アレイ状星雲 (M27)(6月14日)

 夏の宵の東天にM27アレイ状星雲が姿を見せるようになりました。比較的大きくて明るいのでカメラ写りが良く、撮影条件を整えるのに好都合な天体です。撮影条件SWDOB16反射(D400mm、FL1800mm)/同EQ8-R PRO赤道儀/ZWO ASI183MCカメラ(非冷却)/サイトロンQBPフィルター, Gain 440, 露出25秒, 10枚をDSSスタック後画像処理。撮影時刻:2024年6月14 日23時10-14分。自宅にて。

2024年6月11日火曜日

三裂星雲(M20)(6月4日)

 

前面に暗黒星雲があるため赤い星雲は三つに分裂しているように見え、三裂星雲と呼ばれています。この赤い星雲は上部と周辺に青い反射星雲をまとっていて、赤と青のバランスが美しい星雲です。すぐ南にある干潟星雲(M8)とともに天の川を彩っています。当観測所は南天の観望に難があり今回はM8を撮影できませんでした。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出8秒で撮影した20コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年6月4日 22時49分~53分, 自宅にて。


2024年6月10日月曜日

わし星雲の "創造の柱"(M16 + IC4703)(6月4日)

 
その形から"わし星雲"と呼ばれ、散開星団 M16 (NGC6611) と、その背景にある散光星雲(IC4703)から成ります。M16星雲の中心部には象の鼻のような形の暗黒星雲があり、星の新生場所となっています。この暗黒星雲の構造はハッブル宇宙望遠鏡によって鮮明に写し出され、"創造の柱"と呼ばれます。この構造は星雲中央部の青い〇内にみえています。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出20秒で撮影した67コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年6月4日 22時32分~23時02分, 自宅にて。

子持ち銀河 M51(6月5日)

 
うす曇りの透明度はあまりよくない条件での撮影でしたが思ったより写っていました。5月12日にも本ブログにM51を載せていますが、今回初めてステラショット3のライブスタック画像をみながら撮影時間(スタック回数)を判断してみました。できるだけ短い露出時間で満足できる画像を得たいという合理的かつ横着な考えです。うす曇りのせいかもしれませんが100回以上はあまり改善がないようだったので126回のスタックで撮影終了しました。スタック画像(FITS)も保存して試してみましたが、全画像のDSSスタックの方がよい結果でしたのでこちらをアップしました。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出20秒で撮影した126コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年6月5日 21時40分~22時36分, 自宅にて。

2024年6月6日木曜日

ポシドニウスからフンボルト海まで(5月14日)

月面の懐かしい風景です。”なつかしい” とは、「昔よく撮った」という意味です。視野内に個性的なクレーターがいくつも点在し、遠くの地平にはフンボルト海がみえる、という美しい撮らずにはおれない月面の名所です。しかし最近はあまり月面写真をみなくなりました。このブログではこれからも発信していこうと思います。撮影条件:Sky Watcher (SW) DOB16反射 (D400mm、f1800mm)/バーダーIRパスフィルター695nm/SW EQ8R赤道儀/ZWOASI174MMCMOSカメラ/プレビューx2.5 エクステンダー、露出30秒/300フレームx40枚/2024年5月14日19時33分、自宅にて
 

2024年5月17日金曜日

かみのけ座のエッジオン銀河 (NGC4565)(5月4日)

 銀河を真横からみたエッジオン型銀河で最も大きいかみのけ座のNGC4565銀河です。昨年12月3日にはアンドロメダ座のエッジオン型銀河NGC891についてもブログ掲載しています。銀河の中央に走る黒い筋状の構造は銀河の縁の暗黒星雲によるものです。撮影条件:SW DOB16 (D400mm, f1800mm)/キャノンEOS6D/ISO1800、露出50秒 x 10コマをDSSスタック。2024年5月4日23時45分〜55分, 自宅にて

2024年5月13日月曜日

回転花火銀河 (M101)(5月4日)

 

3月15日にも同じ光学系によるM101銀河を掲載していますが今回の方が出来はよいようです。1年前の2023年5月20日に山形県の板垣公一さんがこの銀河の腕のひとつに超新星2023ixfを発見されています。残念ながらもう減光してしまっていますが。撮影条件:SW DOB16 (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6D/QBPフィルター/ISO12800、露出40秒で撮影した11コマをDSSスタック、Photoshop CC、ステライメージ9で画像処理. 2024年5月4日22時20分~29分。自宅にて。



2024年5月12日日曜日

ひまわり銀河(M63)(5月4日)


りょうけん座の系外銀河M63で2400万年の距離にあります。点々の連なった腕が何本も伸びてまるでひまわりの花のようです。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出40秒で撮影した11コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年5月4日 22時04分~19分, 自宅にて。



 

M51子持ち銀河(5月4日)

 

   春の銀河の代表格として、いつも撮りたくなる対象です。私にとっては星雲銀河撮影レベルを測るインディケーターであり、月面撮影のクラビウスクレーターのようなものです。拡大スケールは、この画像が2000ピクセル/5496ピクセル=2.75倍です。通常は2750/5496=2.0倍です。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出40秒で撮影した23コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年5月4日 21時38分~52分, 自宅にて。

M94銀河(5月4日)

 
M94銀河は、非常に淡い輪に囲まれ(画像ではかすかにみえる程度)、その内側の暗黒帯を隔てて白く淡い楕円形、さらに内側の中心部には非常に明るい二重の円盤(画像ではピンク色と白色)から構成されています。白く淡い部分には何本かの小さな腕があり、ピンク色の部分には細かな構造体がみえています。中心部付近では活発にスターバーストが起こっていると考えられています。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出20秒で撮影した10コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年5月4日 21時7分~14分, 自宅にて。

2024年5月11日土曜日

春を呼ぶ球状星団(5月5日)

 りょうけん座、かみのけ座には銀河は大変多いですが、球状星団は2個しかありません。そこで「春を呼ぶ」球状星団ともいわれます。そのひとつであるM3は、大きさ、美しさともM13に次ぐ球状星団といわれ、直径180光年、50万個の星から成っています。画像は、M3ともう一つの球状星団M53を同一の縮尺で示していますが、みかけはM53よりM3のほうが大きいことがわかります。しかし実際にはM53の直径は220光年もありこちらの方がより大きいのです。地球からの距離はM3の34000光年に比べM53は58000光年と遠くにあるからです。撮影条件:SW DOB16反射望遠鏡  (D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出20秒で撮影した10コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年5月5日 (M3):20時51分~56分, (M53):20時58分~21時03分, 自宅にて。



M82銀河(5月5日)

 M82銀河は中心部でスターバーストを起こし外に向かって高エネルギーガスを噴出しています。画像にみられる銀河中心部周辺の赤い炎はこの現象を彷彿とさせます。撮影条件:スカイウオッチャー DOB16反射望遠鏡 (ニュートン式)(D400mm, FL1800mm)/キャノンEOS6Dカメラ/QBPフィルター/ISO12800, 露出50秒で撮影した25コマをDSSスタック。撮影時刻 2024年5月5日午前0時10分~19分。自宅にて。

2024年4月23日火曜日

Seestar撮影画像の処理(4月23日)

 
4月13日に掲載したSeestar画像(4月9日撮影)について、Seestar本体に記録された元画像にレベル補正、コントラスト、明暗などの簡単な処理を加えてみました。出来栄えはもとの画像しだいのようですが、処理によって見やすくなり記録的には十分役立つようです。

2024年4月20日土曜日

Seestarによる撮影画像 続き(M101, M63, M97)(4月9日)

引き続いてSeestarで4月9日に撮影した銀河と星雲です。写したなりの画像ですが4月13日掲載分と同様に素晴らしい写りです。Seestarが高性能であることに加え、月は沈み透明度は高くて撮影条件が良かったことも理由でしょう。左から回転花火銀河の別名を持つM101, ひまわり銀河と呼ばれるM63、そして銀河ではありませんがおおぐま座のふくろう星雲M97です。これらはスマホに保存されている画像ですが、Seestar本体にある画像を処理してみたいと思います。撮影日時:2024年4月9日、露出時間は画像中に表示。

 



2024年4月13日土曜日

話題の「ZWO Seestar」で銀河を撮影してみました(M81, M82, M51)(4月9日)

 
中国の天体撮影機器メーカーZWO社が発売した「Seestar」という天体望遠鏡ないしは天体自動撮影装置とでもいうべき商品が評判です。ほとんどお任せで自分は何もしなくても天体写真が撮れるという驚くべき装置です。youtubeやCMなど見るにつけ、高い機能に対するコスパがきわめてよい印象をもち、昨年の秋に購入しました。しばらくは本格的に使用することもなかったのですが春になって色々試しはじめました。今回は春の渦巻銀河、画面左からM82、M81、M51を撮影し、全く画像処理しないまま並べてみました。撮影中、20秒ごとの画像が自動的にスタックされています。小さい文字ですが画像下方に銀河の名前と撮影時間が自動的に記されています。M82は60分露出なので180枚の撮影フレームがスタックされ、M81は10分で30枚のフレーム、M51は15分の露出で45枚のフレームがスタックされた画像です。やや彩度が弱い印象ですが、望遠鏡の口径がたったの5cm、画像が未処理、空の明るい自宅庭での撮影であることなどを考えるとこの写りは驚きというほかありません。