ページ閲覧数

2016年10月31日月曜日

ふたご座の足元の星雲・星団(10月7日)

 
ぎょしゃ座が高く昇り、オリオン座が南天に姿を見せる夜半過ぎ、ふたご座が東の空から昇ってきます。この頃にはもう冬の星座たちが主役です。
 ふたご座のモンキーフェイス星雲、クラゲ星雲の画像はすでに10月3日にアップしていますが、M35散開星団も含む画像を再度掲載致します。画像の左上のM35の右上に別の散開星団NGC2158が見えています。300㎜望遠レンズ、ISO6400、露出2分。2016年10月7日02時03分。4枚コンポジット後、ステライメージ6、Photoshop CCで画像処理。

くらげ星雲(IC443)
超新星爆発で生じた星雲だと言われています。8cmED屈折直接焦点。ISO6400、露出2分。2016年10月7日02時03分。同様に画像処理。

ぎょしゃ座の星雲・星団(10月7日)

ぎょしゃ座の星雲・星団
秋の夜が更けるとともに北東の空にぎょしゃ座が昇ってきます。ぎょしゃ座α星のカペラは全天でも有数の輝星であること、星が五角形にきれいに並んでいるなど、目立つ星座の一つです。美しい散開星団が3つ、M35、M36、M38があり、望遠鏡を向けるのが楽しくなります。さらに望遠鏡では見ることはできませんがカメラを向けると勾玉星雲(IC405)、IC410、IC417などの赤い星雲が写ります。散開星団と赤い星雲がまじりあう様子はぎょしゃ座の特徴です。
タムロン28-300mmズーム(200mmで)を装着したEOS 6Dで撮影。ISO6400、露出2分。2016年10月7日02時19分。うすずみ温泉駐車場にて。

勾玉星雲(IC405)
古代の装飾品の勾玉(まがたま)に形が似ていることが名前の由来です。すなわち星雲は下から上に伸び、上で右にターンしています。8cmED屈折直焦点。2016年10月7日01時20分。

IC410
2016年10月7日01時20分。

IC417
2016年10月7日01時47分。

秋の北天(カシオペア座とその周辺の星雲)(10月6日)

  カシオペア座は南側にペルセウス座、東側にアンドロメダ座と接しており、ペルセウス座には二重星団やカリフォルニア星雲、アンドロメダ座にはM31銀河など華やかで目立つ星雲があるためどちらかと言えばカシオペア座の星雲・星団は地味な存在です。しかしハート星雲、ソウル(胎児)星雲などの大きな星雲のほか泡(バブル)星雲といったユニークな星雲も存在します。以下はすべて4枚コンポジット処理、ステライメージ6、Photoshop CCによる画像処理を施しています。
泡(バブル)星雲 NGC7635
上:下の画像の□領域を拡大したもの。中央にシャボン玉のような透明な球体が見えています。このユニークな形が名前の由来です。:泡星雲とその左下の散開星団M52を同一視野内に収めたものです。8cmED屈折(f=560㎜) にEOS kiss 7iで直接焦点。ISO6400、露出2分。2016年10月6日
21時28分。

ハート星雲IC1805
二重星団の北側にある月4つ分程(直径は2つ分)の広がりをもつ赤い星雲です。
タムロン28-300mmズームの300㎜でEOS 6D(IR換装)にてISO6400、露出2分で撮影。2016年10月6日22時17分。

ソウル(胎児)星雲IC1848
ハート星雲近くの西側に位置しています。大きさはハート星雲と同じくらい。撮影条件は同上。2016年10月6日22時27分。

カシオペア座NGC281星雲
カシオペア座α星の近くにある赤い散光星雲です。月と同じくらいの大きさですがハートやソウル星雲よりもずっと明るいことがわかります。撮影条件同じ。8cmED屈折(f=560㎜) にEOS kiss 7iで直接焦点。ISO6400、露出2分。2016年10月6日22時36分


カシオペア座 IC59, IC63星雲
カシオペア座γ星の光で輝く反射星雲で、γ星の下側がIC63、左側がIC59です。布をつまんで持ち上げたような形をしています。IC59の形が不明瞭となっており、長時間露出(撮像枚数の増加)などによりさらに改善を目指します。2016年10月6日22時55分。

カリフォルニア星雲 NGC1499
ペルセウス座の赤い散光星雲です。
8cmED屈折(f=560㎜) にEOS kiss 7iで直接焦点。ISO6400、露出2分。2016年10月6日23時21分。





2016年10月30日日曜日

秋の南天 (銀河系外星雲)(10月7日)

秋の夕方の南天には明るい星がなくて寂しい印象を与えます。しかしいくつかの有力な銀河系外星雲が分布しています。:ちょうこくしつ座のNGC253は最も見かけの大きい銀河星雲で、画像から複雑な構造の一端が伺えます。10月1日にもアップしています。:くじら座のレンズ型銀河NGC1055と楕円銀河M74は60’の間隔しかないので同一視野で捉えることができます。形の違いが際立っています。
NGC253
8cmED屈折の直接焦点。キャノンEOS kiss 7i 、ISO6400、2分露出。EQ3GOTO赤道義ノータッチガイド。2016年10月7日0時25分。うすずみ温泉駐車場にて。

 
NGC1055とM74
2016年10月7日01時05分。他の条件は上に同じ。

夏のなごり(はくちょう座の弧状星雲)(10月6日)

  秋が深まりつつありますが、夕方の天頂にはまだまだ夏の星座が頑張っています。はくちょう座には赤い星雲が沢山ありますが、その中でユニークな形をした弧状(三日月)星雲を撮影しました。はくちょう座中央のγ星サドルの近傍の星雲に埋もれています(上)。弧状構造の内部に淡い星雲があるようですが明瞭ではありません。
タムロン28-300mmズームレンズを300㎜でキャノンEOS6Dに装着。F6.3、ISO6400、2分露出。スカイウオッチャーEQ3GOTO赤道義ノータッチガイド。2016年10月6日20時52分。うすずみ温泉駐車場にて。
Capri 8cmED屈折(f=560㎜)直接焦点。ISO6400、2分露出でキャノンEOS kiss 7iにて撮影。他の条件は上に同じ。

2016年10月26日水曜日

月齢22.8 (10月24日)


下弦過ぎの月は明け方になると天頂近くまで昇ってきます。朝方比較的像が落ち着いていたので拡大撮影しました。低倍率では月を南北6つに分けて撮影しモザイクでひとつにしました(上図)。この頃の月は海の比率が高く、コペルニクスやケプラーからの光条も伸びて実に美しい姿を見せてくれています。 ASI224カメラを直接望遠鏡(ケンコーEQ6赤道義/オライオン30cm反射VX12)の接眼部に差し込んで撮影した15秒間の動画をRegistax 6でスタック、ウエブレット処理。20161024日04時30分頃に撮影。


 クラビウス周辺の拡大撮影で、3枚の画像をモザイク合成したものです。クラビウスを中心にその南に広がる大クレーター群、南東側の大クレーターロンゴモンタウスとのつながりがわかります。ASI224カメラ+ 5Xバーローレンズで拡大撮影。 

2016年10月15日土曜日

秋から冬の天の川(10月7日)

 華やかな夏の天の川に比べ、落ち着いた感じの秋から冬の天の川を広角レンズ(35㎜)で撮影してみました。フルサイズIR換装カメラEOS6Dで初めての天の川です。良く目立つアンドロメダ銀河、二重星団ばかりでなく紅玉のような赤い星雲が随所にちりばめられていて、本当に撮り甲斐のある対象であることがわかります。画像は拡大版でご覧ください。

 撮影条件は、ISO6400、露出90秒。タムロン28-300㎜ズームレンズを35㎜で用いた。開放F6.1のところを収差の軽減と星像のシャープ化を狙ってF8.0に絞りました。2016年10月7日午前3時半頃から撮像した4枚をコンポジット後、ステライメージ6で画像処理。モザイク化するとよいのですがまだあまり経験がなく今回もバラバラでの公開です。うすずみ温泉四季菜館駐車場にて。
カシオペア座付近
 アンドロメダ銀河とペルセウス二重星団が目立ちますが、天の川に埋もれたハート星雲や胎児星雲の赤が良いアクセントになっています。

 
ペルセウス座からぎょしゃ座付近
 すばる星団の青い星雲とカリフォルニア星雲の赤が美しいコントラストを成しています。
ぎょしゃ座からふたご座付近
天の川に埋もれたぎょしゃ座には3つの散開星団と勾玉星雲などの赤い星雲があり賑やかです。その南ではふたご座の足元が天の川に浸り、散開星団のほかモンキー星雲やクジラ星雲などがちりばめられています。

 
ふたご座から大犬座、オリオン座付近
天の川はふたご座から大犬座に入ります。シリウスの南東には散開星団M41があり、北東には大きなわし/カモメ星雲がみえています。天の川のほとりのオリオン座は全体が赤い星雲に包まれていて、オリオン大星雲M42、馬頭星雲やこれらを取り囲むバーナードループ、エンゼルフィッシュ星雲などの赤い星雲がたくさん分布しています。

2016年10月13日木曜日

わし/かもめ星雲(IC2177)(9月30日)

 
9月30日にうすずみ温泉で撮影した最後の画像です。わし/かもめ星雲(IC2177)はシリウスの北東7度の位置にある大きな星雲です。その呼称は国内では「わし星雲」が一般的ですが、M16もわし星雲と呼ばれており紛らわしくなります。そこで海外での一般呼称である「かもめ星雲」を併記し「わし/かもめ星雲」としました。 
(上)300㎜望遠レンズ(F8.0に絞る)。(下)8ED屈折直焦点(f=560mm)。ISO6400、露出90秒。


いっかくじゅう座の青い散光星雲(IC2169, NGC2245, 2247, IC445)(9月30日)

コーン星雲/クリスマスツリー星雲の東側、バラ星雲の北側に青い散光星雲の集団があります。一番大きいのはIC2169で、これをカタツムリの殻に、NGC22452247を目と見立て、全体を「かたつむり星雲」と呼ぶ人が国内にいるようです。星雲の淡い部分がかなりの難物で、この画像からカタツムリの連想には至りませんでしたが、想定されるカタツムリのイラストを付けておきます。(上)タムロンズーム300 mm 望遠レンズ装着EOS-6DISO6400、露出90秒で撮影。(下)8㎝ED屈折直接焦点。EOS kiss x7i ISO6400, 露出90秒。IC2169が中心でカタツムリの目のあたりが欠けてしまいました。上下ともスカイウオッチャーEQ3赤道儀でノータッチガイド。20169300344分頃。トリミング。   

2016年10月12日水曜日

コーン星雲・クリスマスツリー星団(NGC2264)(9月30日)

いっかくじゅう座のバラ星雲の少し北側に位置する一連の星雲・星団として、コーン星雲・クリスマスツリー星団(NGC2264)及びキツネの毛皮星雲があります(10月4日の本ブログ参照)。淡いので名前をうかがわせる姿は想像するしかありません。これらと少し離れたところに扇形のハッブル変光星雲(NGC2261)があります(上画像の右上)。ハッブル変光星雲は明るさと形を変える星雲で、いっかくじゅう座R星の近くの密集した塵の雲が周期的にR星からの光を妨げるためと考えられています。
8cmED屈折(f=560mm)/EOS kiss 7i、ISO6400、露出90秒。2016年9月30日03時26分~。4枚コンポジット。
300㎜望遠レンズ装着EOS-6DでISO6400、露出90秒。2016年9月30日03時26分~。4枚コンポジット。上の画像は四角く囲んだ部分に対応します。

2016年10月5日水曜日

ふたご座足元の赤い星雲(9月30日)

ふたご座の足元には美しい散開星団M35がありますがその近くには個性的な星雲があります。モンキーフェース星雲(NGC2174-5)、三連符の小さな星雲(IC2162)そしてクラゲ星雲(IC443)です。
三星雲の位置
クラゲ星雲の一部が欠けてしまいました。300㎜望遠レンズ装着EOS-6DでISO6400、露出90秒。2016年9月30日03時36分~。4枚コンポジット。

モンキーフェース星雲(NGC2174-5)
左向きのサルの顔わかりますか? 8cmED屈折(f=560mm)/EOS kiss 7i、2016年9月30日03時36分~。4枚コンポジット。

三連符の赤い星雲(IC2162)
撮影方法は上に同じ。2016年9月30日03時23分~。

ばら星雲(9月30日)

シーズンはじめということもあり、有名星雲のオンパレードになっています。ばら星雲を300㎜で撮ると南側(右側)に小さな赤い星雲が3つほど飛び石で連なっています。画像の右側に見えている小さな赤い星雲はこのうちの一つで、ばらの蕾とも言われるシャープレスカタログSh2-280です。
 キャノンEOS-6Dにタムロン300㎜望遠レンズによる画像
ISO6400、露出90秒。2016年9月30日02時53分から4枚の撮像をコンポジット。

EOS 7iによる8cmED屈折の直接焦点像
撮影日時、撮影条件は上の画像と同じ。

2016年10月4日火曜日

オリオン座とその周辺(9月30日)

夜半過ぎには冬の星座が昇ってきます。EOS-6D 広角28㎜ (F6.3)でオリオン座周辺を撮ってみました。銀塩時代には難しかった記憶のあるバーナードループやエンゼルフィッシュが簡単に写りました。透明度が高いせいもあるでしょうが、高感度デジタルカメラの進歩に感謝です。2016年9月30日04時38分から。ISO6400、露出90秒。4枚をコンポジット。うすずみ温泉にて。

2016年10月3日月曜日

オリオン座中心部(9月30日)

 上段は、300㎜ (F6.3) 望遠レンズ(カメラはEOS-6D)で撮ったオリオン座の中心部。オリオン座を代表する大星雲M42(右上)、馬頭星雲(中央)とM78(左下)。 下段は、馬頭星雲の拡大で、8cmED屈折(f=560mm)の直接焦点像。2016年9月30日02時33分~。いずれもISO6400, 90秒露出。3~4枚コンポジット。うすずみ温泉にて。


2016年10月1日土曜日

アンドロメダ銀河(9月30日)

 
この季節、撮影の手始めはやはりこれです。アンドロメダ座は天頂付近にまで昇り撮影の好機であるだけでなく、透明度の善し悪しの判断基準になります。また撮影機材をチェックするのにも役立ちます。上:EOS 6Dに望遠レンズ(タムロン28-300mm;300㎜にて)。下:8㎝ED屈折にEOS kiss 7iにて。いずれもISO6400, 露出90秒。EQ3赤道義ノータッチガイド。2016年9月30日02時03分。うすずみ温泉。9月10日撮影のアンドロメダ銀河に比肩しうる画像です。

はくちょう座網状星雲(9月30日)

9月10日撮影のものより解像度はやや劣りますが、明るい左のNGC6692と右のNGC6692をペアで8㎝屈折で撮影することができました。8cmED屈折にキャノンEOS kiss 7i (ISO6400、露出90秒)で撮影。4枚の画像をコンポジット。ステライメージ6で画像処理。2016年01時34分~。

雲間のNGC253銀河(9月30日)

NGC」はニュージェネラルカタログ(New General Catalogue)の略で7,840個の星雲星団銀河などのカタログです。NGC253はちょうこくしつ座の銀河で、1000万光年と比較的近く距離にあります。アンドロメダ銀河M31、さんかく座M33に次いで明るく大きい銀河ですが、南の低空に見えるため撮影には透明度の高い空が必要です。いつも出かけているうすずみ温泉では929から30日にかけて高い透明度に恵まれ、NGC253を撮影してみました。雲が多いため露出時間を通常3分から90秒と短くし、その反面、ISOを通常3200から6400に上げて撮影しました。雲を縫っての撮影となりましたが、期待以上の画像を得ることができました。今後はもっと大きな口径で狙ってみたい対象です。
8ED屈折望遠鏡(焦点距離560mm)直接焦点、キャノンEOS kiss 7iIR換装)、ISO6400、露出90秒。2016930039分から撮影した4枚をコンポジット。トリミング。左側は雲。