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2016年12月21日水曜日

月面の再掲載(12月8日分)

12月8日に撮影した月面画像についてさらに画像処理(ステライメージ6、Photoshop CCなど)を加え少し解像度を向上できたので掲載します。撮影方法は12月11日掲載分と同じ。
南部クレーター群、クラビウス付近

中央部の大クレーター群、プトレメウス付近。

南部の大クレーター群、テランドル付近。

北部のクレーター群、プラトー以北。



2016年12月18日日曜日

しらびそ高原の秋(11月3日)


11月3日、しらびそ高原では黄色く色づいたしらびそが青空に映えて美しい眺めでした。冬に向かう季節の移ろいの中、木々が最後の輝きを放つ一瞬です。今夕の素晴らしい星空を暗示しているかのようでした。2016年11月3日。

2016年12月16日金曜日

オリオン座中心部とバーナードループ(12月3日)

 馬頭星雲(IC434)と燃木星雲(NGC2024
 燃木星雲(NGC2024)は馬頭星雲(IC434)の一部のように思われることがあります。しかし燃木星雲は馬頭星雲とは別の星雲です。画面中央に赤い星雲を背景とする馬頭がありその左端に三ツ星のζ(ゼータ)星(アルニタク)が輝いています。ζ星を挟んで馬頭星雲と直角の位置にあるのが燃木星雲です。その他、馬頭の下の青白い星雲がNGC2023、馬頭、燃木星雲の左に位置する青白い星雲はNGC2024です。 Capri 8cmED屈折直接焦点。EOS kiss 7iIR換装)。2016123120分から撮影した4枚をコンポジット。フィルターなし。ISO1600, 露出6分。ステライメージ6とフォトショップCCで画像処理。

バーナードループ
中央やや右に馬頭星雲と燃木星雲がありこれを大きく取り巻く弧状の赤い星雲はバーナードループと呼ばれます。銀塩時代にこれを写し込むのは大変でしたが、IR換装された最近のデジタルカメラでは比較的簡単に写すことができます。タムロンズームレンズを200㎜で装着したEOS6Dカメラで撮影。フィルターなし。2016123248分から撮影した4枚の画像をコンポジット。ISO1600 露出6分。他の条件は上に同じ。

2016年12月15日木曜日

魔女の横顔星雲(IC2118)(12月3日)

オリオン座のリゲルの西側にあるこの星雲は、なんと40光年離れたリゲルの光を反射しているのだとか‐‐‐。光が淡いのもうなずけます。魔女の横顔に見えるということでこの名で呼ばれますが、即座には思い描けません。しかしそう思ってじっと見つめると、なるほどという気になりますね。

この画像では左側に明るいリゲルがあるため左半分に簾(すだれ)の様な強いゴーストが出てしまいました。Capri 8cmED屈折直接焦点像。EOS kiss 7iIR換装)。2016123120分から撮影した4枚をコンポジット。ISO1600, 露出6分。ステライメージ6とフォトショップCCで画像処理。

拡大率を下げるとゴーストはなくなり、リゲルを始めとする周辺の星が見えて星雲の位置関係がよくわかります。タムロン28300㎜ズームレンズを200㎜で装着したEOS6Dカメラで撮影。2016123139分から撮影した4枚の画像をコンポジット。ISO1600 露出6分。他の条件は上に同じ。

かもめ/わし星雲と北アメリカ星雲(12月2日、3日)

この二つの星雲は共通して天の川に埋もれた大きな散光星雲であり、並べて掲載することにしました。でも位置はかなり離れていて、北アメリカ星雲は夏の、かもめ/わし星雲は冬の天の川に存在しています。でも並べると結構迫力ありますね!ISO1600、露出58分、画像4枚コンポジット」の条件で撮影、処理した画像です。

かもめ/わし星雲(IC2177
シリウスの北東、冬の天の川に埋もれて存在する大きな赤い星雲である。翼を広げた鳥のような姿をしていることから日本ではわし星雲、英語ではsegull nebula かもめ星雲と呼ばれています。鳥の頭部にあたる部分はNGC2327が設定されている。冬の天の川の中で最も南に位置する星雲である。肉眼では見えない。Capri 8cmED屈折直接焦点像。EOS kiss 7iIR換装)で撮影。2016123352分から撮影した4枚をコンポジット。ISO1600, 露出6分。ステライメージ6とフォトショップCCで画像処理。

北アメリカ星雲(NGC7000
改めて説明するまでもなく北アメリカに似ていることが名前の由来である。はくちょう座デネブの近く。タムロン28300㎜ズームレンズ200㎜を装着したEOS6Dカメラにより撮影。20161222000分から撮影した4枚の画像をコンポジット。ISO1600, 露出6分。他の条件は上に同じ。


2016年12月14日水曜日

湿りの海 (12月11日)

湿りの海とガッサンディ
湿りの海には、スジ構造や半分埋もれたクレーターなどがあり興味深い場所です。このほか海の畔に位置するクレーター、ガッサンディ(中央上)は、内部に複雑なスジ構造をもち、撮影し甲斐のあるクレーターの一つです。比較的解像度の高い像が得られたので掲載します。2016年12月11日19時48分。VX12(30cm反射)に2xバーローレンズで拡大し、ZWO社ASI224MCカメラで取得した15秒間の画像をRegiStax6でスタック、ウエーブレット処理。Photoshop CCで画像処理。


星雲撮影の改善‐その5‐(ばら星雲)(12月3日)

ISO1600、露出58分、画像4枚コンポジット」の条件で撮影、処理した星雲の画像、
その5はいっかくじゅう座のバラ星雲です。
ばら星雲
  輝線星雲NGC2237-9,NGC2246のガス体の中心には散開星団NGC2244があり、この集合体全体をばら星雲と呼んでいます。ばら星雲は肉眼では見えませんが満月の2倍くらいある大きな星雲で、昔の超新星爆発後の残存物(レムナント)と言われています。とにかくばらの花そっくりですよね。Capri 8cmED屈折望遠鏡直接焦点像(f=560mm)をEOS kiss 7iIR換装)カメラで撮影。201612338分から撮影した4枚の画像をコンポジット。ISO1600, 露出6分。ステライメージ6とフォトショップCCで画像処理。

ばら星雲とその周辺
105日にもばら星雲を掲載し、同じことを書きました。ばら星雲の周辺には小さな赤い星雲が3つほど飛び石で連なっています。ばらの左側に位置する小さな赤い星雲はこのうちの一つで、ばらの蕾ともいわれるシャープレスカタログ番号Sh2-280です。タムロン28300㎜ズームレンズを200㎜で装着したEOS6Dカメラで撮影。2016123310分から撮影した4枚の画像をコンポジット。ISO1600, 露出6分。他の条件は上に同じ。

星雲撮影の改善‐その4‐(くらげ星雲)(12月2、3日)

ISO1600、露出58分、画像4枚コンポジット」の条件で撮影、処理した星雲の画像、
その4、を掲載します。ふたご座の足元にあるクラゲ星雲です。

 ふたご座クラゲ星雲(IC443
超新星の爆発後の残存物(レムナント)と言われており星雲としては非常に淡いです。クラゲに形が良く似ています。傘の部分は比較的写りがいいのですが足の部分は特に淡くて難物です。この画像ではなんとか見えているようです。画面内の輝星はふたご座η星。
Capri 8cmED屈折望遠鏡直接焦点像(f=560mm)をEOS kiss 7iIR換装)カメラで撮影。2016123053分から撮影した4枚の画像をコンポジット。ISO1600, 露出6分。ステライメージ6とフォトショップCCで画像処理。

クラゲ星雲の周辺の星雲、星団(NGC2174M35NGC2158など)
中央やや上側にクラゲ星雲(IC443)が見えます。その左下には赤いモンキーフェース星雲(NGC2174)が、右側には大きな明るい散開星団M35とその下に小さな散開星団NGC2158があり、この周辺はいろんな星雲、星団でにぎわっています。
タムロン28300㎜ズームレンズを200㎜で装着したEOS6Dカメラで両星雲を撮影。2016123059分から撮影した4枚の画像をコンポジット。他の条件は上に同じ。

星雲撮影の改善‐その3‐(勾玉星雲)(12月2、3日)

ISO1600、露出58分、画像4枚コンポジット」の条件で撮影、処理した星雲の画像、
その3、を掲載します。ぎょしゃ座の有名な赤い星雲です。
 ぎょしゃ座勾玉星雲(IC405
古代の装飾品勾玉に形が似ています。紐を通す穴の部分に少し明るい星があります。Capri 8cmED屈折望遠鏡直接焦点像(f=560mm)をEOS kiss 7iIR換装)カメラで撮影。2016123053分から撮影した4枚の画像をコンポジット。ISO1600, 露出6分。ステライメージ6とフォトショップCCで画像処理。勾玉の曲がった先が淡いようです。

ぎょしゃ座の星雲、星団(IC405IC410M38など)
タムロン28300㎜ズームレンズを200㎜で装着したEOS6Dカメラで両星雲を撮影。2016123059分から撮影した4枚の画像をコンポジット。他の条件は上に同じ。
画面上の方に見える星屑は左がM36、右がM38の各散開星団。下右にIC405勾玉星雲、その左上側にIC410星雲。

2016年12月13日火曜日

星雲撮影の改善‐その2‐(ハート星雲、ソウル星雲)(12月2,3日)

引き続き「ISO1600、露出58分、画像4枚コンポジット」の条件で撮影、処理した星雲の画像を掲載します。今回はペルセウス座の大きな赤い星雲です。

 カシオペア座ハート星雲(IC1805
ハート型ですが、中央にも線が入っていることから相撲の軍配にも似た形をしています。撮影条件を変えても赤い色の強さはあまり変わらないようです。適切なフィルターの使用がよいようです。Capri 8cmED屈折望遠鏡直接焦点像(f=560mm)をEOS kiss 7iIR換装)カメラで撮影。20161222310分から撮影した4枚の画像をコンポジット。ISO1600, 露出6分。ステライメージ6とフォトショップCCで画像処理。

カシオペア座ソウル(胎児)星雲(IC1848
胎児が仰向けに横たわる姿を連想して胎児星雲とも呼ばれます。201612305分から撮影した4枚の画像をコンポジット。他の条件は上に同じ。

ハート星雲(中央)とソウル星雲(左上)
タムロン28300㎜ズームレンズを200㎜で装着したEOS6Dカメラで両星雲を撮影。20161122318分から撮影した4枚の画像をコンポジット。他の条件は上に同じ。

2016年12月12日月曜日

適正条件下での星雲、銀河の撮影 -その1- (系外銀河)(12月2, 3日)

 うすずみ温泉では12月2日夕方から3日の夜明けまで透明度の高い快晴が続き最高の天体観測日和でした。そこで、先に検討した適正条件(すなわちISO1600, 露出8分;4枚コンポジット)で幅広く撮影を試みました。期待通り多少なりとも画質が改善されているように思われます。まず今回は代表的な渦巻き銀河を掲載します。
 アンドロメダ銀河(M31)
Capri 8cmED屈折(f=560mm)の直接焦点像。EOS kiss 7i (IR換装)1SO1600で8分露出した4枚をコンポジット。ステライメージ6、photoshop CCで画像処理。2016年21時32分から。

 さんかく座M33
ISO1600, 露出5分で撮影した3枚をコンポジット。他の条件は上に同じ。2016年11月2日22時20分。

おおぐま座M81(右)とM82(左)
ISO1600, 露出8分で撮影した4枚のコンポジット。他の条件は上に同じ。2016年11月3日05時02分。

感度、コンポジット枚数の画質への影響

これまで星雲や銀河はISO32006400で撮影を行ってきました。高感度にすると露出時間を短くできるのでメリットとして、1)一定時間に多くの対象を撮影できること、2)赤道義のオートガイドの許容範囲が広くなり、場合によってはノータッチガイドも可能です。しかしおおむね強い画像処理をするため画像が荒れてしまうのがデメリットと考えられます。そこで、良い画質を目指して撮影方法を改善してゆきたいと考え、感度、コンポジット枚数の効果について比較してみました。アンドロメダ銀河を対象とし、M-genでオートガイドしたEQ3赤道義にのせた13cm反射望遠鏡で撮影しました。銀河端の像について、撮影画像をそのまま比較するのではなく、強い画像処理を施したのちの画像を比較しました。結果として、「ISO1600、露出8分で撮影した画像を4枚コンポジット処理する」ことが現実的に最適であると考えられた。

感度の影響
撮影条件は、左:ISO6400, 露出2分、中:ISO3200, 露出4分、右:ISO1600, 露出8分。撮影後、強い画像処理を5回繰り返し行ったもの。感度が低いほど画像の乱れが少ないことがわかります。

コンポジット枚数の影響
撮影条件は、ISO6400, 露出2分、左:コンポジットなし(1枚)、中央左:コンポジット2枚、中央右:コンポジット4枚。右の1枚の撮影条件は、ISO1600, 露出8分、コンポジットなし(1枚)。コンポジット枚数が多いほど画像は安定しています。ISO6400の4枚コンポジットとISO1600の1枚がほぼ見合いです。