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2017年8月30日水曜日

月面X(8月29日)

年に2回程上弦の月で見られる「X」文字を捉えました。今回文字が見える時刻は18から19時と非常にシビアです。天候不順が続く中、雲を縫っての撮影となりました。「X」文字は、プールバッハ、ブランキヌス、ラ・カーユの各クレーターの稜線が一段高いため太陽に一早く照らされてできるとのこと。珍しい現象ですが当ブログでは過去3回も「X」文字の画像を掲載しています。最初は2013年5月17日で当時はそれと認識しておらずその後に気づいたものです。さらに2015年12月18日、2017年1月5日にも捉えていて今回が4回目になります。この時刻、他にも「V」文字が見えることが知られていますが、新たに小さい(small)X「sX」文字を見つけました。画像をとくとご覧ください。
撮影時刻:2017年8月29日18時25分から26分(全体像)、18時56分(sX)、18時55分(X)、18時50分(V)。

2017年8月22日火曜日

月面南部のモザイク画像(5月19日)

少し前(5月19日)に撮影した下弦の月の拡大画像をモザイク合成することによって南部山岳地帯をすっきりと表現することができました。クラビウス、クラビウスの右上のフランカヌス、右横のシャイナー、右下のモンタヌス、ヴィルヘルム及び真下のティコの各クレーターについては内部の小クレーターや丘陵、外輪山の内壁構造などがみえています。シーイングは10段階の7くらいで良好でした。
2017年5月19日05時08分から13分の間に30秒間の動画を撮り、それぞれを画像処理して1枚の静止画としたのち、この4枚をICEでモザイク合成した。光学系:英国オライオン社VX12反射(D300mm, FL1200mm)直接焦点をバローレンズ(5x)で拡大、カメラ:ZOW社ASI174MM、画像解析ソフト:AutoStakkert!2, RegiStax6, ステライメージ6, Photoshop CC。

2017年8月13日日曜日

ペルセウス座流星群(8月12, 13日)

 12日夕方から13日早朝まで多少雲が広がるタイミングもありましたがおおむね晴れました。近頃の天候不順の連続を考えると奇跡的でした。例年この日は能登半島ですが今年は自宅玄関先での観望でした。東側半分の視界で約3時間程度観望し、約20個のペルセウス群を確認しました。うち半数は明るいもので、最も顕著な流星は天空の半分を火球のごとく走り見事でした。カメラは北と東の天頂付近に向けて2台設置し、計400~500枚のインターバル撮影(F5,ISO1600, 30秒露出、インターバル10秒)を行いました。ペルセウス群と思われる以下の3個を撮影できました。
はくちょう座(IMG6750)
  北の天頂付近に向けたEOS kiss 7i(IR換装)、キャノンズームレンズ24㎜。8月13日00時04分。はくちょう座とりゅう座境界あたりを流れた目視で-2、3等の流星。少し画像強調しました。

りゅう座(IMG6430)
 同様に北の天頂付近に向けたEOS kiss 7iで撮影。撮影開始まもない8月12日20時25分頃。目視確認なし。

りゅう座(IMG6827)
北の天頂付近に向けたEOS kiss 7iで撮影。暗くて見にくい。8月13日01時04分頃。目視確認なし。

2017年8月4日金曜日

タカハシ10㎝フローライト屈折(8月4日)

 この写真に写っている望遠鏡わかりますか。天文ファンならだれでもが憧れる、タカハシの10㎝フローライト屈折望遠鏡です。この写真、天文ガイドの裏表紙などではありません。うちの居間です。そうです。とうとう買いました。FC-100DL一式。レデューサーも含めて40万円の買い物でした。口径100㎜、焦点距離90㎝でx0.66のレデューサーを使うと焦点距離は590㎜(F5.9)になります。この機種に決めた理由は、35㎜フルサイズ(EOS-6D)で撮影するとき、レデューサー併用でタカハシのフォトビジュアル機種FSQ-106ED屈折並みの収差補正がなされていることです。究極のシャープネスを期待して、これまでCapri製 8㎝ED屈折(f=560mm/F7; 笠井トレーディング)が担ってきた役割をワンランク上の画像で補ってくれると信じています。
 それにしても梅雨明け以降さっぱり晴れてくれません。ファーストライトはいつになることやら。
 
背負っているのはPHDオートガイド用の5cm, f=300㎜鏡筒。架台はスカイウオッチャーEQ3赤道儀。カメラはEOS-6D。接眼部は全体にがっちりしておりカメラの回転台は便利に使えそうです。レデューサーを外せばf=900mm(F9)の写真鏡としても使えます。

2017年8月1日火曜日

Nik collection Color Efex Pro4ツールによる天の川のディテール強調(8月1日)

 Nik collectionとは高品位な画像処理を簡単に行える7つのツール群のことで、登場した時は有料ソフトだったのですがNik社がGoogleに買収され20163月に無料化されました。天体画像への応用は201611月号、12月号の天文ガイドに記事として掲載されており、その有益性が注目されています。そこで去る614日に本ブログに掲載した天の川の画像をNik collection Color Efex Pro4を使ってディテール強調してみました。
   3枚の天の川画像をColor Efex Pro4 ツールのディテ ール強調フィルターで、ディテール強調41%、コントラスト35%、彩度40%で処理した後、モザイク合成(stereographic展開)したもの(上)と、処理してない画像3枚のモザイク画像(下)を比較しました。モザイク合成に用いた画像は、ソフトンA滲みフィルター(ケンコー)装着したキャノンEOS kiss x5 (IR非換装)/短焦点ズーム(18㎜, F5.6)、ISO1600, 露出3分で撮影した4枚をそれぞれコンポジットしたもの。20165130048分~0130分。長野県飯田市しらびそ高原にて撮影。