46Pウイルタネン(Wirtanen)彗星は12月になると肉眼で見えるほど明るくなる彗星として話題になっています。遠日点が木星付近にある周期彗星(5.4年周期)で1948年に発見されました。これまで何回も回帰していますが今回は非常に条件がよく、12月3日に太陽に1.055天文単位まで接近したのち、12月16日には0.078天文単位まで地球に大接近します。この距離は月までの距離のたった30倍という接近ぶりです。したがってその頃には大きく、明るく見えることになり、3等星クラスが予想されています。
このように期待度の高い彗星であり、すでに5等星クラスに増光しているという情報があるのでぜひ撮影をと思いうすずみ温泉に出かけました。しかし到着するや否や時雨に見舞われとても望遠鏡を出せる状態ではありません。気持ちはもう帰り支度に入っていましたがしばらくすると天気回復の兆しが見え、粘ることにしました。そのかいあって雲間から撮れた彗星の画像を下に示します。はっきりした尾はありませんが、コマは北側(下側)の方向に偏って濃くなっているようです。これからの変化が楽しみです。
タカハシFC100DL屈折望遠鏡による直接焦点撮影。ステラショット制御のセレステロンAdvancedVX赤道儀でノータッチガイド。2018年11月29日21時41分から52分まで撮影。EOS6D(Seo-SP)でISO3200, 露出1分、10枚をDSSコンポジット。