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2018年11月30日金曜日

46Pウイルタネン(Wirtanen)彗星(11月29日)

  46Pウイルタネン(Wirtanen)彗星12月になると肉眼で見えるほど明るくなる彗星として話題になっています遠日点が木星付近にある周期彗星(5.4年周期1948年に発見されましたこれまで何回も回帰していますが今回は非常に条件がよく、123日に太陽に1.055天文単位まで接近したのち、1216日には0.078天文単位まで地球に大接近しますこの距離は月までの距離のたった30倍という接近ぶりですしたがってその頃には大きく明るく見えることになり、3等星クラスが予想されています
 このように期待度の高い彗星でありすでに5等星クラスに増光しているという情報があるのでぜひ撮影をと思いうすずみ温泉に出かけました。しかし到着するや否や時雨に見舞われとても望遠鏡を出せる状態ではありません。気持ちはもう帰り支度に入っていましたがしばらくすると天気回復の兆しが見え粘ることにしました。そのかいあって雲間から撮れた彗星の画像を下に示しますはっきりした尾はありませんが、コマは北側(下側)の方向に偏って濃くなっているようですこれからの変化が楽しみです
タカハシFC100DL屈折望遠鏡による直接焦点撮影ステラショット制御のセレステロンAdvancedVX赤道儀でノータッチガイド。2018年11月29日2141分から52分まで撮影。EOS6D(Seo-SP)ISO3200, 露出1、10枚をDSSコンポジット

2018年11月8日木曜日

秋の星雲(11月6日、7日)

この秋はあまり天候に恵まれず星雲撮影のチャンスは非常に少なかったように思います。加えてジャコビニ・チンナー彗星の撮影にも手を取られてしまいました。そのため、突然の好天に恵まれた11月6日の夜は飢えを満たすように秋の有名な星雲ばかりを撮りまくりました。ひとつだけやったことと言えば、UHCフィルターで撮影を行ったことです。以下、FC100DLでの撮像を紹介します。フィルターの装着により露出時間を長くする必要がありますがカメラの感度ISO6400に上げることで対応しましたがフィルターの関係でAPS-Cカメラを使ったため結果的にはこれが失敗でした。Raw画像の荒れが顕著でどうしようもなく少しマシなJPEG画像で小さくまとめざるを得ませんでした。しかしUHCフィルター効果は大きく当然のことですが赤い星雲の描写が容易になるほか渦巻星雲内に分布する赤い散光星雲が写ります(特にM33)。今後はこの経験を改善に生かしたいと思います。
上段左:NGC7293 らせん状星雲;中:M31 アンドロメダ銀河;右:NGC7635 バブル星雲;下段左:NGC253;中:M33 渦巻銀河;右:NGC2237など, バラ星雲
撮影条件:FC100DL屈折望遠鏡 (reducer, f=590mm, F5.9), セレステロンAVX赤道儀、EOS60D(APS-C)カメラ、オプトロンUHCフィルター、ISO6400, 露出3分, 8枚コンポジット。ステライメージ8などで画像調整。撮影時刻:2018年11月6日20時55分~7日04時01分。

2018年11月7日水曜日

アリスタルコスの夕暮れ(8月6日、8日)(星ナビ12月号、星ナビギャラリーに入選)

アリスタルコスとヘロドトス周辺の夕暮れ時の欠け際の画像(下)と、その2日前(上)の同じ場所の画像を比較してみました。欠け際の画像からは地形の様子が、その2日前の画像からはアリスタルコスと周辺の発光の様子がわかります。2枚組写真。
 
 (上)2018年8月6日5時4分10秒 (854フレーム);(下) 2018年8月8日5時0分1秒(1,032フレーム)。 いずれも15秒間の動画 

2018年11月2日金曜日

スイフト・ゲーレルス彗星(64P)のM31への接近(11月1日)

標記の64P周期彗星がアンドロメダ銀河 (M31) に接近中とのことでうすずみ温泉へ撮影にでかけました。久しぶりに満天の星でした。同一画面に入れ込むため焦点距離が短めのFS60CB屈折(255mm)にフルサイズカメラボディー(EOS6D)を使いました。彗星はアンドロメダ銀河に比べてずっと暗いのでどこにいるのか見つけにくいと思いますが、右下のボーとした青緑色の星です。尾は見えません。先月のジャコビニ・チンナー彗星のように尾のある派手な彗星だとよいツーショットになるのですが少し寂しい感じです。現在接近中の別の彗星、ウイルタネン彗星は12月に3,4等まで明るくなると予想されているので期待しています。
タカハシFS60CB屈折望遠鏡にキャノンEOS6Dカメラボディーを取り付けて直接焦点撮影。ISO3200, 露出2分。2018年11月1日18時53分から19時05分まで10枚の画像をDSSでコンポジット。