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2017年7月29日土曜日

Derotation機能を利用した木星の画像処理(7月28日)

 木星は10時間で自転するため模様の移動が速く精細画像を得るための動画は長くても2分以内と言われています。私もこれまでほとんどの場合90秒間としてきました。しかし自転による模様のズレを「WinJUPOS]というソフトで補正できるとのこと(熊森照明氏、天文ガイド201611月号p78)で、試してみました。
 対象はすでに61日に本ブログで紹介した530日撮影の木星画像です。連続撮影した90秒間の動画3本をスタッキング、ウエブレット処理した後、それぞれのベスト画像をWinJUPOSに投入してderotation処理しました。こうして得られた1枚の静止画像をステライメージ6で画像復元処理して最終画像を得ました。前後の比較を下に示します。もとの画像3枚のうちベストの1枚と比べても明らかに画質改善が認められました。模様のズレが補正されるため3枚画像のコンポジット処理効果も寄与したと考えられます。

  左:Derotation処理なし、右:処理後。

2017年7月25日火曜日

朝の細い月(月齢27、7月21日)

梅雨明け宣言後はずっと悪天が続きなかなか撮影できません。雲間からやっと撮った月齢27の月を載せます。ちょうど黄道の高い位置にいて撮影しやすい状態でした。ここのところ月ばかりで食傷気味ですが、広い嵐の大洋が半分近くを占める美しい月です。
Orion VX12にASI174MMカメラ+5xバーローレンズで30秒間の動画撮影し、画像処理。2017年7月21日4時29分~。2枚モザイク合成。

2017年7月18日火曜日

モザイク合成した月の全体像(6月4、5、6日)

6月はじめは好天が続き3日連続で撮影できました。シーイングは日によって善し悪しがあるため拡大画像を並べることはできません。そこでASI174MMカメラで直焦点撮影した画像を比較することにしました。Image Composite Editorを使うと非常にきれいにモザイク合成できるので、月齢により2枚から4枚に分割撮影したものをモザイクにしました。非常に解像度が高く多少の拡大にも耐えることから、このサイズの画像では考えられないくらい情報量が多いです。
撮影日時、上:2017年6月4日19時31分、中:5日19時13分、下:6日20時50分。
 
 

2017年7月13日木曜日

下弦の月(6月17日)

  6月は中旬まで良い天気が続いていましたが、以後は7月半ばの今日まで悪天続きです。ブログのネタがないので6月に撮影した月面画像を紹介します。下弦の月は日の出の頃に南中するので、比較的シーイングが良い朝方見ごろとなります。直近の5月と6月の下弦は好シーイングに恵まれました。下弦の月は海の比率が高くて美しいと言われます。北部(下側)の「雨の海」に接する大クレーター、1)コペルニクス、2)プラトー、を拡大してみました。
撮影は、Orion VX12反赤, ASI174MM CMOSカメラで撮像した30秒間の動画(470枚)をスタック、ウエブレット処理、画像復元処理。
全体像:2枚の撮像をImage Composite Editorでモザイク合成。2017年6月17日2時59分~3時5分。

1.コペルニクス周辺:エラトステネスとの間に広がる連続小溝や、コペルニクスの外輪山内部の段々構造や中央丘の微細構造に注目。2017年6月17日4時4分~。

2.プラトー周辺:「雨の海」の北縁にあたるアルプス山脈、プラトーから虹の入り江への流れが美しい。「雨の海」の中に散在する小さなクレーターや山塊が印象的。6枚モザイク合成。2017年6月17日4時8分~15分。