2025/12/22

初冬の朝月「静けさの中の圧倒的な存在感」(12月9日、月齢18.7)


 12月の朝方、中天高くかかる月は、満月の華やかさとは違い“成熟した美しさ”を見せてくれています。
    東の空がわずかに明るみ始める頃、「夜の終わり」と「朝の始まり」が同時に存在する時間帯に月が輝くのは、特別な情景です。満月の圧倒的な明るさとは違い、月齢19の月は少し欠けた分だけ柔らかさと深みが増すため、どこか詩的で落ち着いた雰囲気があります。岐阜の冬は湿度が低く、空気が澄むため、月の光がキラリと硬質に輝くように見えます。月の周囲の空が深い藍色に沈み、コントラストが強く、写真のような美しさになります。また、夜明け前の空には、オリオン座のリゲル、ベテルギュース、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンなど冬の一等星が勢ぞろい。その中で月が高く輝く光景は、まるで天空の舞台の主役のようです。 この月を21枚の拡大画像を使ってモザイク化してみました。
 特徴として、1) 月齢19では、欠け際の境界線に沿ってクレーターの影が長く伸びるため、観察の“旬”と言われるほど。特にティコ、クラビウス、コペルニクスなどの大クレーターが美しく浮かび上がります。
     2)月の高度が高い=観察条件が最高;  中天付近の月は大気の層を最も薄く通るため、ゆらぎが少なく、細部がクリアに見えます。
 撮影条件:スカイウオッチャー(SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/ (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年12月9日5時46分~6時11分に撮影した21枚の動画 (100枚フレーム/20秒/枚)を静止画像としImage Composite Editorでモザイク化。
 

2025/12/18

ふたご座流星群2025撮影記録(12月14-15日)

       12月14日夜半から15日の朝にかけてふたご座流星群を撮影しました。極大時刻は14日17時ごろですが、夕方は時折雨、曇天が続きました。しかし深夜から一転して空が晴れ渡り幸運にもいくつかの流星をカメラに捉えることができました。今回は静止カメラと追尾カメラ3台を使って撮影を行い、最も多くの明るい流星を記録できた静止カメラの画像を選びました。オリオン座付近(番号1, 2)、しし座付近(3, 4)、そしてプレセペ星団付近(5, 6)の流星を2枚ずつ、計6個を紹介しています。星座や星団を背景に流れる光跡は、冬の夜空を彩る壮大な瞬間の記録です。澄んだ空気の中で星々と流星が織りなす光景をご覧ください。

撮影方法:Tamron 28-3-00mm zoomレンズをキャノンEOS6Dに取り付け、28mm、ISO800、露出20秒, インターバル1秒の条件で三脚に固定し、20時くらいから夜明け(6時)頃まで撮影。自宅庭にて。

2025/12/12

この秋の月面ハイライト6 【暮れなずむクラビウスとロンゴモンタヌス】(9月16日)

     夕暮れの光に照らされるクラビウス。広大なクレーター底に差し込む陽光が、静かなシルエットを描き出し、隣接するロンゴモンタヌスとともに月面南部の荘厳な風景を形づくっています。撮影条件:SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビュー パワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター 695nm/ ZWO ASI 178MM CMOS モノクロカメラ 100フレーム/20秒、2025年9\9月16日5時53分、自宅にて。

この秋の月面ハイライト5 【ジャンセンとレイタ谷】(10月9日)

    画面中央は、月面南東部に位置する巨大なジャンセン・クレーターです。直径190kmを超えるこの古い隕石衝突痕は、浸食と重複する衝突によって複雑な内部構造を見せています。周壁は崩れ、内部には大小のクレーターが重なり合い、まるで月面の歴史を刻んだ年代記のようです。そのすぐ北東に伸びるのが、レイタ谷(Rheita Valley)。幅数十km、長さ500km近くに及ぶ壮大な谷は、連続した衝突盆地が連なって形成されたと考えられています。この画像では、ジャンセンの古さとレイタ谷のスケール感を同時に捉えることができました。撮影条件:SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビュー パワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター 695nm/ ZWO ASI 178MM CMOS モノクロカメラ 100フレーム/30秒、2025年9\10月9日1時16分、自宅にて。

 

この秋の月面ハイライト4 【虹の入り江とその向こう】(9月16日)


       虹の入り江とその奥の南東縁を、いつもより45度、時計方向に回転させて眺めた風景です。ちょっと斬新さを感じないでしょうか?縁に近いクレーターでは、中央やや左にレプソルド、右にピタゴラス、それらの奥の中央にクセノファネスなど、日頃あまり耳慣れない大きなクレータが並んでいることがわかります。月を周回する宇宙船から見たような雄大な風景です。撮影条件:SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビュー パワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター 695nm/ ZWO ASI 178MM CMOS モノクロカメラ 100フレーム/20秒、2025年9月16日6時2分、自宅にて。

2025/12/04

この秋の月面ハイライト3 【ヘシオドス渓谷流域の多彩な構造物】(9月16日)

 視野の中央を横切るのは、長く続くヘシオドス渓谷(名称記載)です。その蛇行は、大地が静かに裂けていく瞬間を示しているかのようです。渓谷の北東に広がるWurzelbauer(ヴルツェルバウアー)(名称記載)クレータの内部には、大小の衝突痕が幾重にも重なり、月面が長い時間をかけて刻まれてきた歴史を物語っています。さらに南側では、密集する中小クレーター群が複雑な陰影を描き出し、まるで地形そのものが語りかけてくるようです。そしてKies(キース)埋没クレーター(名称記載)は周壁だけを残し、その隣に控えるドーム状の隆起がかつての火山活動の痕跡であることを静かに示しています。この一枚の画像中に、衝突・断層・火山活動が織りなす多彩な構造が凝縮されているようです。

 撮影条件:スカイウオッチャー(SW) DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM(モノクロ) CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年9月16日5時54分、自宅にて。

この秋の月面ハイライト2 【ーコペルニクスー 壮大な衝突痕と静かな火山の証】(9月16日)

   コペルニクスとその周辺には、二つの対照的な痕跡―壮大な衝突クレーターとその西方に点在する火山性ドーム群(画像からは外れていますが)が顕著です。コペルニクスは巨大衝突が残した直径90kmを超える劇的な構造であり、周壁や中央丘がそのエネルギーを物語っています。一方、ケプラーとの間に並ぶドーム群は、月の内部から静かに噴き出した溶岩が築いた丘状の地形で、火山活動の証拠と見られています。
 撮影条件:スカイウオッチャー(SW) DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM(モノクロ) CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年9月16日5時57分、自宅にて。

2025/12/03

この秋の月面ハイライト1 【バイイとシラー・ズッキウスベイスン】(9月16日)

 この秋に撮影した下弦前後の月面画像を紹介します。よく知られた名所より、精細によく撮れたもの、構図に斬新さを感じるものなど、自分自身が感激した作品を選んでいます。今回は、月面南東部縁のバイイとシラー・ズッキウスベイスンです。     
月面南東縁に広がる巨大な衝突の痕跡――直径数百kmに及ぶこの二つの構造が隣接する姿は、月面でも特に壮大な景観のひとつです。古代の天体衝突が残した地形が、現在も鮮明に私たちの望遠鏡に映し出されることに、宇宙の時間の長さを感じます。

撮影条件:スカイウオッチャー(SW) DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM(モノクロ) CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年9月16日05時51分、自宅にて。

月(月齢9.9)のモザイク画像(11月30日)

1枚撮りでは月面の詳細は表現できないので13枚の画像を1枚にモザイク化してみました。画像を大きく載せるため横置きにしてあります(左:南)。マクロな視点から、1) 南部の山岳地帯、2) コペルニクスを中心に北側の雨の海と南側の雲の海、3) 晴れの海、静かの海、豊の海と連なる海の中のパッチー模様、などが注目点でしょうか。撮影条件:スカイウオッチャー(SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年11月30日15時54分~16時11分に自宅で撮影した13枚の動画(100枚フレーム/20秒/枚)を静止画像としImage Composite Editorでモザイク化。

 

2025/12/01

輪がさらに細くなった土星(11月15日)

  
 
この秋のメインイベント、土星の輪がさらに細くなりました。もはや土星本体の適正露出では輪はほとんど見えません。ゲインをあげるとそれなりに輪が濃くなります(下)が、土星本体に適正な露出、ゲインではほとんど輪は写りません(上)。撮影条件Sky-Watcher DOB16(D40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8R-Pro赤道儀 / テレビュー バローレンズ 5 x 拡大、Zwo ASI290MCカメラにてカラー撮影 (2000コマ)。ゲイン311, 露出76 ms, 2025年11月15日 21時32分 (上)、ゲイン444, 露出72 ms, 11月15日 21時27分(下)、自宅にて。

2025/11/27

本日払暁の木星(11月27日)

 
 1月10日の衝を控え、木星が夜半過ぎには東の空に明るく輝くようになりました。ふたご座にいて天空高くまで上るとよいシーイングが期待できるのですが、冬場の西高東低は著しくシーイングを悪化させます。今シーズンは痛しかゆしの観測が続きそうです。本日は久しぶりに中くらいのシーイングに恵まれ(?)たので撮影してみました。大赤斑は見えていませんが、衛星イオの陰が木星面の南東部に落ちて移動中です。4大衛星の木星面への投影、表面通過、木星による食などがあると観測意欲がわきます。撮影条件Sky-Watcher DOB16(D40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8-Pro赤道儀 / バローレンズ 5 x 拡大、Zwo ASI290MCカメラ。2025年11月27日0時32分 に撮影。自宅観測所にて。

2025/11/05

スワン彗星(C/2025 R2)(11月3日)

スワン彗星(C/2025 R2)は、2025年9月に太陽観測衛星SOHOの「SWAN」装置によって発見された非周期彗星で、2025年10月20日頃に地球に最接近し、宵の空で6等級の輝きを放ちましたがこの頃は7等級以下に減光しており、青緑色に核は広がっていますが尾は見えていません。今後も観測条件はよいので、大型望遠鏡でもこ追尾するつもりです。撮影条件:Seestar S50 による、10秒ごとの撮影画像を12回(露出2分)の自動スタック。2025年11月3日18時53分13秒撮影開始、総露出2分間。

レモン彗星の尾(C/2025 A6)(11月3日)


レモン彗星(C/2025 A6)の注目ポイント
 尾のイオンテール、ダストテールが明瞭
  イオンテール:彗星から太陽風によってダストテールが押し流された電離ガスが作る
         尾。細く、直線的に伸びるのが特徴。
  ダストテール:彗星の核から放出された微細な塵が太陽光の圧力で広がる尾。幅広く、 
         曲線的な形状になることが多い
 観測タイミング
  レモン彗星は10月21日に地球へ最接近し、11月8日に近日点を通過するため、現在(11 
  月3日)が最も活動が活発で尾が伸びやすい時期です。組み写真にすることで、「露出時 
  間による違い」「尾の構造の変化」がわかりやすくなります。
撮影条件:Seestar S50 による、10秒ごとの撮影画像を1回(露出10秒)、2回(露出20秒、6回(露出1分)、12回(露出2分)をそれぞれ自動スタック。各画像は、2025年11月3日の画像中に示す時刻を開始時刻として撮影。

2025/10/31

望遠レンズで撮ったレモン彗星(C/2025 A6)(10月28日)

 
80mmの望遠レンズで撮影したレモン彗星(C/2025 A6)です。Seestar S50は焦点距離が長く(200mm?)視野が狭いので彗星だけで視野いっぱいになってしまうのですが、80mmでは彗星のダストテイルのほか、周辺の星たちもたくさん見えています。撮影条件:サムヤン80mm/F1.4 (F4.0で使用) を装着したキャノンEOS 60Dカメラ、ISO400、露出5秒、 ケンコースカイメモSで追尾。約1/2倍トリミング、2025年10月28日19時01分。

タムロン28-300mm zoom レンズを300㎜ (F6.3)でキャノンEOS6Dカメラに装着、ケンコースカイメモSで追尾、ISO800、露出8秒で撮影。撮影画像をほぼそのまま掲載しました。山々やマンションの建物と屋上の給水塔が映り込んでいます。この夜は地平近くまで透明度が高く、風景と彗星を同一視野に映し出すことができました。2025年10月28日19時07分。

Seestar S50で撮ったレモン彗星(C/2025 A6)(10月28日)

 画面は10月28日の夕方、40万都市岐阜の郊外の川の土手(肉眼では4等星が限界)でSeestar S50を使って撮影したものです。濃いダストテールのほかイオンテールも識別できます。Seestar S50は、多少明るい空でも背景を暗く淡い天体を映し出してくれる優れものです。また薄明時に誰よりも早く彗星を見つけてくれるありがたい存在です。今後も11月初旬までは観望チャンスです。撮影のほか双眼鏡や望遠鏡を使えば尾のある姿を見ることができるでしょう。
撮影条件:Seestar S50 による、10秒ごとの撮影画像を40回スタック、レベル補正処理。

関連情報は以下の通りです
 2025年1月3日、米アリゾナ州レモン山天文台で発見された長周期彗星(公転周期 約1100年)で地球最接近は2025年10月21日(約8900万km)、近日点通過:は2025年11月8日(太陽から約7900万km)  
                          観測のタイミングと方角
  • 見頃: 10月下旬〜11月上旬
  • 方角: 日没後の西〜北西の空
  • 高度: 日の入り1時間後で地平高度約20度
  • 時間帯: 18時〜19時頃が最適


2025/10/28

ポシドニウスクレーター:月面の地質博物館'(10月10日)

 画像中央に位置するポシドニウスクレーターは、直径約95kmの複雑な構造を持つ衝突クレーターです。中央には隆起した丘があり、火口底には蛇行する谷が走っています。これらの地形は、月面の地殻変動や溶岩活動の痕跡を物語っており、まるで地質博物館のようです。月の欠け際に位置するこのようなタイミングでは、ポシドニウスの周壁が強く輝き、立体感が際立ちます。満月前後の観察では、谷や丘の陰影が美しく浮かび上がり、撮影にも最適です。
 ポシドニウスの東側には滑らかな玄武岩で覆われた晴れの海が広がっています。平坦な海と複雑なクレーターの対比は、月面の形成史の違いを視覚的に示してくれます。
撮影条件:スカイウオッチャー(SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM(モノクロ) CMOSカメラ 100フレーム/10秒、2025年10月10日01時29分、自宅にて。

2025/10/24

IC1396星雲(Sh2-1311)中の象の鼻星雲 (vdB142)(9月13日)

左:星ありの通常画像。右:星除去処理後の画像。暗黒星雲の縁が明るく照らされ、象の鼻の形状が明瞭に浮かび上がります。
IC1396は、ケフェウス座に広がる巨大なHII領域で、若い星々が誕生する星形成領域として知られています。中でも「象の鼻星雲」は、恒星風と紫外線によって彫刻された暗黒星雲で、その内部では新たな星が生まれつつあります。今回の画像では、星の輝きを除去することで、星雲の構造をより明瞭に捉えることができました。天体写真の技術が、宇宙の営みを可視化する手段となることを実感します。
撮影条件:40cm反射望遠鏡 (FL 180 cm, F4.5)/ キャノンEOS6D/ISO 6400, 露出30秒  30枚をdeepskystac(DSS))でスタック   2025年10月13日23時04分-20時20分(総露出15分)自宅にて。
 

2025/10/21

M27周縁の淡い星雲(10月13日)

M27(亜鈴状星雲)は惑星状星雲の中でも特に構造が複雑です。星除去ソフトStarNetv2GUI_Winを使って画像から星を消して星雲を強調してみました(右側)。明るい棒状領域に加え、周辺にはレモン形や円形に広がる淡いガスが重なっている様子が強調されて見やすくなっています。撮影条件:40cm反射望遠鏡 (FL 180 cm, F4.5)/ キャノンEOS6D/ISO 6400, 露出30秒, 20枚をdeepskystack)でスタッキング.   2025年10月13日19時55分-20時08分(総露出10分)自宅にて。

2025/10/11

土星の姿(10月9日)

 土星の輪は細く細くですが現在ははっきりとみえています。すでに今年の3月24日から5月7日にかけて輪が消失しましたがこのときの土星は太陽に近くて観望しにくい状況でした。次回、11月24日に起こる消失が待たれます。撮影条件Sky-Watcher DOB16(D40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8-Pro赤道儀 / テレビュー バローレンズ 5 x 拡大、Zwo ASI290MCカメラにて撮影(RGB) (2000コマ)。2025年10月9日23時56分 。自宅にて。


 

今シーズンはじめての木星(10月10日)


 今シーズンはじめて撮影した木星です。視直径は33秒くらいでまだ小さめですが夜半には東の空に姿を見せています。10月10日のシーイングはいまひとつでしたが木星らしい南北の太縞がみえています。木星の右側近くの衛星はイオのようです。今期の木星は最も高赤緯にあり、好シーイングの機会が多くなると期待しています。撮影条件Sky-Watcher DOB16(D40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8-Pro赤道儀 / バローレンズ 5 x 拡大、Zwo ASI290MCカメラにて、別々にモノクロ(L)とカラー撮影(RGB) (2000コマ)を行い、50%比率でレイヤー合成を行いました。2025年10月10日2時55分 (L)、3時3分(RGB)に撮影。自宅にて。

2025/09/17

土星(9月15日)

 
 土星を撮影しました。ごらんのように輪が細くなっていて、木星と間違えてしまいそうです。輪を真横から見るタイミングの時は、輪が全く見えなくなってしまいます。土星は30年で1回、太陽を回りますが、地球が土星を追い越していくタイミングで15年に1回、輪を真横から見る年がめぐってきます。今年はその年に当たります。

土星の輪は土星の赤道面に沿って広がっていて、太陽系の公転面に対して約27度傾いています。このため、地球から見ると輪の角度が年々変化していきます。地球は1年で太陽を一周するので、地球と土星の位置関係は毎年少しずつ変化し、約15年ごとに土星の輪が真横を向くタイミングが訪れます。輪が薄いため(数十メートル程度)、このときは望遠鏡でもほとんど輪が見えなくなります。撮影条件:Sky-Watcher DOB16(40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8-Pro赤道儀 / バローレンズ 5x 拡大、Zwo ASI290MC/2000コマ。2025年9月15日23時45分。自宅にて。

  • 2025/09/14

    ターコイズフリンジに注目(9月8日)

      赤銅色のの縁に青緑色の帯が浮かび上がる『ターコイズフリンジ』のようなものが確認できました。これは地球の成層圏にあるオゾン層が赤い光を吸収し青い光を透過することで生じる現象と言われています。ホワイトバランス調整を含めいくつかの画像処理を加えて明瞭化を試みてみました。撮影機材は前の画像に同じ。ISO800, 露出3.2秒、2025年9月8日20時28分。

    2025/09/13

    ターコイズフリンジと赤銅の月:9月8日未明の皆既月食

     

     9月8日未明の皆既月食は、自宅の南西にある山の影響で開始時から皆既食の最深部到達までの限られた時間しか観測できませんでした。しかし、好天に恵まれ、皆既食の核心部分を撮影することができました。画像の説明:00:24は食前の通常の月、00:57から01:29は半影食の月、01:39から02:19は部分食の月、02:26から02:49は皆既中の月。皆既月食時の半影月食は注目度が低いですが地球の影に徐々に覆われていく様子は興味深いです。時とともに月は劇的に変化し、02:20頃には赤銅色に染まった皆既食の月が現れました。皆既に入る直前、月の縁に青緑色の帯が浮かび上がる『ターコイズフリンジ』が確認できました。これは地球の成層圏にあるオゾン層が赤い光を吸収し青い光を透過することで生じる現象です。撮影条件:CAPRI-80ED屈折 ((D80mm, FL560mm、F7)赤道儀(スカイウオッチャーEQ3)、Canon EOS6Dカメラ、撮影時刻は図中に示す。撮影のISOと露出時間は以下に示す。1) 00:24画像, ISO200, 1/400秒、 2) 00:57画像、ISO200, 1/500秒)、3) 01:13画像、 4) 01:29画像、ISO200, 1/250秒、5) 01:39画像、ISO200, 1/200秒、 6) 01:54画像、ISO200, 1/125秒、7) 02:06画像、ISO200, 1/125秒、 8) 02:19画像、ISO800, 1/200秒、9) 02:26画像、ISO800, 1/2秒、10) 02:32画像、ISO800, 1/2秒、11) 02:41画像、ISO800, 1.3秒、12) 02:49画像、ISO800, 3.2秒。2015年9月8日、自宅にて。


    2025/09/10

    山の端をゆく皆既中の月(9月8日)

     山の端の木々かすめる皆既中の月です。みずがめ座の星々がかすかな光を放ちます。我が家の南西には角度30°以上の山があり、この後しばらくして赤い月は山陰に隠れました。撮影条件:タムロンズームレンズ(250mm)ISO1800、露出2.0秒、2015年9月8日02時50分頃、自宅にて。

    2025/09/08

    皆既月食(9月8日)

     

    今回の皆既月食(2025年9月8日未明)は、約3年ぶりに日本全国で観測可能な貴重な機会でした。月は 1時27分に欠け始め2時30分から3時53分まで皆既状態となり、4時57分に部分食が終了しました。岐阜県周辺では前線の影響が懸念されていましたが、太平洋側では晴れ間が広がり、観測には絶好の条件となった地域も多かったようです。画像は2時50分頃の皆既中の月の速報です。近日中に月食のまとめをアップします。撮影条件:CAPRI-80ED屈折 ((D80mm, FL560mm、F7)赤道儀(スカイウオッチャーEQ3)、Canon EOS6Dカメラ、ISO1800、露出1.5秒、2015年9月8日02時50分、自宅にて。


    2025/08/24

    Seestar S50によるオメガ星雲(M17)とわし星雲(M16)(8月19日)

      Seestar S50で撮影した夏の南天の散光星雲第2弾です。オメガ星雲(M16)とわし星雲(M17)は銀河系の同じ渦巻腕に属しており、同じ巨大分子雲複合体と考えられています。
    わし星雲(M16)は、へび座にあり、距離は7000光年で、散開星団(NGC 6611)と散光星雲(IC 4703)から成ります。ハッブル宇宙望遠鏡が1995年に撮影した暗黒星雲の柱状構造(中心部)は星が誕生する象徴的画像として知られています。
    オメガ星雲(M17)は、いて座にあり、距離は5000年で、輝線星雲と散開星団(NGC 6618)から成ります。約35光年の広大なガス雲の中で数百の若い恒星が誕生しています。
     撮影時刻:オメガ星雲(M17)2025年8月19日20時52分~59分の7分間露出;わし星雲(M16)2025年8月19日20時34分~41分の7分露出。いずれもSeestar S50で自動撮影。

    Seestar S50による干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20)(8月19日)

     夏の南天を飾る散光星雲です。連日の猛暑で夜になっても気温は下がらず汗をふきふきの撮影でSeestarの登場となりました。当方の据え付け望遠鏡は南の低空が死角になっていることも理由です。SeestarならM8とM20を同一視野で撮れると思っていたのですが、M8だけでも2分割撮影が必要でした。思った以上にSeestar S50の視野が狭いこと言い換えると拡大率が高くその分高解像であることを再認識しました。

     撮影時刻:干潟星雲(M8)2025年8月19日19時36分~43分と同19時47分~54分で撮影した2枚のスタック画像をImage Composite Editorでモザイク化; 三裂星雲(M20)2025年8月19日20時22分~29分。いずれもSeestar S50で自動撮影。

    2025/08/05

    ジャンセンとレイタ谷(6月5日)

     ジャンセン周辺の拡大です。ジャンセンは直径200キロのクレーターで内部に細い峡谷(ジャンセン峡谷など)がありますが、その西側には幅の広い長いレイタ谷がクレーターを削りながら走っています。この細い峡谷(Rille)と太い谷(Valley)の存在がこの境域の特性と言えます。
     ジャンセンのほかにも、ポシドニウス、ガッサンディ及びアルフォンススといったクレーターの内部には細い峡谷が走っていますが、ジャンセンは、他のクレーターに比べて周壁の崩壊が進んでおり、内部の谷も控えめです。そのため地形としての「古さ」が際立ち、衝突後の長い年月におよぶ風化や地殻変動の影響が色濃く残っています。クレーター内の峡谷は、主に衝突後の地殻の緩みや火山活動によって形成されたと考えられています。一方で、レイタ谷は全長約500km、幅最大30kmにも及ぶ巨大な構造でありクレーター内の峡谷とはまったく異なります。成因としては、月全体の地殻活動に関わる大規模な力学的プロセスが関与していると考えられています。
      まとめると… ジャンセンなどのクレーター内峡谷は「局所的・構造的」な地形なのに、レイタ谷は「広域的・力学的」な地殻変動の痕跡で、スケールも成因も異なる月面地形の多様性を象徴しています。
    撮影条件:スカイウオッチャー(SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 100フレーム/10秒、2025年6月1日19時20分56秒、自宅にて。



    2025/08/02

    太陽黒点群(8月2日)

     最近の太陽活動のトレンド
     太陽活動周期25(サイクル25)は現在、極大期のピークに達していて、今年(2025年)7月には、黒点群4114がX1.2やX1.9といった最大レベルの太陽フレアを発生させました。Xクラスのフレアは地球の電離層に影響を与え、通信障害やGPS の誤差を引き起こすことがあり、 8月以降も警戒が呼びかけられています。

    画像の観察ポイント 半暗部と暗部の構造が明瞭で、主黒点の周囲に小黒点群が散在しており、磁場の複雑性が示唆されます。黒点の形状が楕円〜不整形で、成長期の活動領域であることがうかがえます。したがって、写っている黒点群は活動領域 AR 4114である可能性が高いようです。
    撮影条件:ZWO社 Seestar  S50 (サングラス装着)により2025年8月2日9時1-2分に撮影。自宅にて。

    2025/07/30

    神酒の海(Mare Nectaris)—月面に広がる神話と科学の交差点(6月1日撮影)

     神酒の海は、直径約333kmの円形の「月の海(mare)」で、ギリシャ神話に登場する神々の飲み物「ネクタール」にちなんで名付けられました。その名の通り、科学的な魅力と詩的な響きを併せ持つ場所です。
    地質学的な特筆点
     約38.5億年前、巨大隕石の衝突によって形成された盆地で、ネクタリス代から前期インブリウム代にかけて誕生しました。表面は後期インブリウム代の地層に覆われており、月の地質史を語る重要な証拠となっています。周囲にはアルタイ断崖ティオフィルス、キリルス、カタリナなどの印象的なクレーターが点在し、地形的にもドラマチックです。また、フラカストリウス、ダグエレなど多くの埋没クレーターが点在しています。
    探査と現代の関心
     2024年、JAXAの小型月着陸実証機「SLIM」が神酒の海の西にあるキリルス・クレーター内の付近に着陸しました。直径わずか0.27kmの新しいクレーターが誕生し、SLIMの高精度着陸技術の象徴として「栞(Shioli)」クレーターと命名されました。日本の月探査における新時代の幕開けとされ、神酒の海がその舞台となったことは象徴的です。
    撮影条件SW DOB16 ニュートン式反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒、2025年6月1日19時23分44秒、自宅にて。

    2025/07/09

    月面の色彩(4月7日)

     
     月面の色彩は、通常のカラー画像では目立ちませんが、色を強調する処理を施すことで、微妙な色の違いが浮かび上がります。大気による光線の吸収ができるだけないように天頂近くに高く昇った月齢9の月を対象に、ZWO社製ASI 183MC CMOSカラーカメラで撮影した画像をモザイク化しこれに彩度の強調処理を行いました。右側がPhotoshop CCで彩度を強調したもの、左側はカラー情報を破棄したのちに同様に彩度強調した(彩色されないことを確認)ものです。南(下)部の山岳地帯(クレーター密集地帯)と北(上)部の「氷の海」とその周辺は薄い茶に、晴の海は、縁が青でそれ以外の中心は茶に、「静かの海」、「豊かの海」は青色に染まっています。この違いは、主に海を形成する玄武岩の化学組成の違いに起因します。「静かの海」はチタン(TiO₂)含有量が高いので 青色が強くなり、「晴の海」はチタン含有量が低く鉄分が多いため 赤み強くなります。鉱物組成の違いが色彩に反映されており、これは月の火山活動の履歴マントルの化学的多様性を示唆しています。

    撮影条件:スカイウオッチャーDOB16 ニュートン式反射 (D400mm、f1800mm)/スカイウオッチャーEQ8R赤道儀/ZWO ASI 183MC CMOSカラーカメラ 露出10秒/200フレーム、2024年4月7日21時54-58分、50コマ/35秒動画を処理。5枚の静画5枚をモザイク化。自宅にて。



    2025/06/22

    くじら銀河(NGC4631)(撮影:6月19日)


    NGC 4631(くじら銀河) の特徴:りょうけん座にあり、地球からの距離は約3000万光年銀河円盤を真横から見る形になり、「くじら」に例えられます。銀河中心部では活発な星形成(スターバースト)が進行中で、超新星爆発も頻繁に起きています。すぐ隣にある矮小楕円銀河NGC 4627と重力的に相互作用しており、これがNGC 4631の形を歪めていると考えられています。銀河のみかけの大きさ(視直径)が約15.5×2.7分と大きく、明るさも9.3等級と明るいため観測しやすく人気があります。撮影条件SW DOB16反射望遠鏡 (D40 cm, FL 180 cm)/ キャノンEOS6D/ISO 6400, 露出3秒, 275枚をDSS (deep sky stack) スタッキング.   2025年6月19日22時31分-55分(総露出24分)、自宅にて。


    ひまわり銀河 (M63)(撮影:6月19日)

     40㎝反射赤道儀で系外銀河を撮ってゆくにあたりいくつかの方針を試してみたいと思います。昨今は冷却CMOSカメラ全盛期ですが、これまでのキャノン一眼レフEOS6Dへの愛着も深く、空の明るい自宅での短時間撮影で満足できる撮影条件を探ってみました。ポイントは、1) 露出時間 を数秒以内とする、2) 撮影枚数を500枚以上とすることです。3) これにより多少明るい空でもQBPフィルター  など使わずに9,10等クラスの暗い銀河が写せるかどうか、4) 満足な画像に必要なスタック枚数を知る、などです。今回の標的は「M63ひまわり銀河」です。2秒露出で500枚撮影しました
     M63銀河はその渦巻の腕が花びらのように広がる様子がヒマワリを連想させることから、「ひまわり銀河」と呼ばれています。中心部は黄色みを帯びて明るく、外縁部にかけて淡く広がる構造が特徴的です。ハッブル分類ではSA(rs)bc型に分類される非棒渦巻銀河で、中心核の周囲にリング状の構造(rs)を持ち、緩やかな渦巻腕をもっています。地球からの距離は約2670万光年でみかけが8.6等級と比較的明るく、アマチュアにも観測可能です。
    撮影条件SW DOB16反射望遠鏡 (D40 cm, FL180 cm)/ Canon EOS6D/ISO 6400, 露出2秒, 500枚をDSS (deep sky stack) スタッキング.   2025年6月19日21時01-22時09分(総露出68分)、自宅にて。

    2025/06/17

    マリウス周辺(2024年11月13日)

       

        マリウス周辺の地域、月の火山活動の痕跡を色濃く残しており、月の内部構造や熱史を探るための重要な研究対象です。特にマリウス丘の地下空洞は、将来の有人探査や居住施設の設置のための「天然のシェルター」としての可能性も秘めています。

    マリウスクレーター(Marius Crater)は、月の北西部、「嵐の大洋(Oceanus Procellarum)」に位置する直径約41kmのクレーター。溶岩に満たされた浅いクレーターで、内部は比較的平坦。周囲には「リンクルリッジ(wrinkle ridges)」と呼ばれるしわ状の地形が南北に走っています。

    マリウス谷(Rima Marius)は、非常に細いリル(rille:溶岩流の痕跡)で全長は数十kmに及びます。非常に細いため条件の良いときでないと観察が困難。

    マリウスの丘(Marius Hills)は、多数の小さなドーム状の丘が密集しており月面でも最大級の火山性地形群で、かつての玄武岩質の火山活動によって形成されたと考えられています。日本の月探査機「かぐや」によって、直径約50〜70mの縦穴(skylight)が発見されました。これは地下に続く溶岩チューブ(lava tube)の入り口とされ、将来の月面基地候補地として注目されています。

    撮影条件:SW DOB16反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F11.5) /バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒2024年11月13日22時15分,  自宅にて。


    2025/06/15

    湿りの海南部のドッペルマイヤー、リー、ヴィトロ (2024年11月13日)

    湿りの海の南部には形の似たドッペルマイヤーリーヴィテロの3つのクレーターがあります(今年の5月30日付で当ブログにアップした「湿りの海とガッサンディ」の画像をご参照ください)。
     ドッペルマイヤーは、直径約64kmのクレーターで半分溶岩に埋もれています。通常、隕石の衝突でできるクレーターの中央丘は衝突時の反動で形成されますが、ドッペルマイヤーの中央丘はそれとは異なり、火山性の隆起でできた可能性があります。リーは小さなクレーターで溶岩流による埋没が進んでいます。ヴィテロ内部には隕石衝突によってできた複数の小クレーターが存在していますが埋没の度合いは小規模です。このように月のクレーターは単なる衝突の痕跡ではなく月の進化の過程を物語る貴重な存在です。
        撮影条件SW DOB16反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 5 x (合成f 9000mm F23) /バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒2024年11月13日21時44分,  自宅にて。

    2025/06/10

    シラー-ズッキウス ベイスン (2024年11月13日)

       
     シラー-ズッキウス ベイスンは、月面南西部に位置する大きな「衝突盆地」で直径約335kmもあります。衝突盆地とは大規模な隕石や小惑星が天体の表面に衝突した際に形成される広大な円形の地形のことで、シラー-ズッキウス ベイスンは、三重のリング構造を持つ特徴的な地形で、外側の2つのリングは比較的明瞭ですが、最も内側のリングは、画像中の「ベイスンの文字が置かれた部分」を含む不明瞭な尾根に囲まれた窪みのような部分です。かつては巨大なクレーターとの認識でしたが現在は衝突盆地とされています。周辺には、シラー(179 × 71km)やズッキウス(直径64km)といったクレーターが存在し、これらの地形が盆地の形成に関与していると考えられています。Lunar 100の59番に指定されており、月面地形の中でも興味深い観測対象の一つです。

    撮影条件SW DOB16反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F11.5) /バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒2024年11月13日22時4分,  自宅にて。

    2025/06/09

    クラビウスのクレーター底(2024年11月13日)

     

     クラビウスは直径約225kmの大クレーターです。大きさは東京から名古屋までの直線距離に相当します。内部(クレーター底)には大小のクレーターが円を描くように並んでいて独特の景観を醸し出しています。月の歴史を語るタイムカプセルとも言えるかも知れません。過去に隕石の激しい衝突が繰り返されて多くのクレーターができ、熱で溶けた溶岩があふれて流れ、線状構造を形成したことなどが推定されます。月はかつて活発な地殻変動を繰り返していたのです。

    撮影条件SW DOB16反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 5 x (合成f 9000mm F23) /バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒2024年11月13日21時17分,  自宅にて。

    2025/06/06

    プラトー(2024年11月13日)

            

    プラトーは月面で最もよく知られたクレーターの一つで、美しく、目につきやすいほか、かつて「つかの間の月の現象(Transient Lunar Phenomena, TLP)」と呼ばれる謎の発光現象が報告されたことがありますTLPとは、月面の一部が突然明るく輝いたり、ガスや霧のようなものがかかってかすんで見える現象のことです。これらは、地球から望遠鏡で観測される際に報告されることがあり、特にプラトークレーターやアリスタルコスクレーターなどで頻繁に目撃されてきました。

    プラトーの火口底は溶岩で満たされて平らになっていて大きなスケートリンクのようです。このリンクには小さな穴が4~5個ありますがわかりますか? また、プラトー東側の山塊には曲がりくねった渓谷(プラトー渓谷)が見えます。

     撮影条件SW DOB16反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 5 x (合成f 9000mm F23) /バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒2024年11月13日21時11分,  自宅にて。

    2025/06/04

    虹の入り江と南北の岬(2024年11月13日)

     

    「虹の入り江」は、雨の海からゆったりと波が押し寄せる港のように見えます。南側のヘラクレデス岬は高さが徐々に低くなって傾斜していますが、北側のラプラス岬は盛り上がった地形になっていることから、巨大な衝突クレーターの南東側が海からの溶岩に覆われて沈み込んだ地形であると推定されています。撮影条件SW DOB16 ニュートン式反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5x (合成f 4500mm F 11.25) (左) or 5x (合成f 9000mm F23)(右の上下) /バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒2024年11月13日21時56分(左)、21時08分(右上)、21時03分(右下) 自宅にて。

    2025/05/30

    ガッサンディと湿りの海(2024年11月13日)

        
    月面撮影の対象として定番です。湿りの海を囲んでガッサンディなどの個性的なクレーターや多くの埋没クレーターと数多くの渓谷、谷がちりばめられていて目を引き付けられます。画像には主なクレーターと海の名称を付与しました。撮影条件SW DOB16 ニュートン式反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒/3枚モザイク2024年11月13日21時43-44分に撮影した画像3枚のモザイク, 自宅にて。

    2025/05/29

    アリスタルコス高原(2024年11月13日)

                                                                                      

        アリスタルコス高原は画像で示すように、シュレーター峡谷などの巨大な溝によって切断され, 隆起したダイヤモンド形の台地を指しています。シュレーター渓谷は、高原を覆う火砕堆積物の源であったと考えられています。撮影条件:SW DOB16 ニュートン式反射/SW EQ8R赤道儀/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒/2024年11月13日20時59分, 自宅にて。

    2025/05/28

    ハンスティーン山とその周辺(2024年11月11日)

     
      湿りの海のガッサンディにほど近い冬の海の南岸あたりです。ハンスティーンとビリーは、大きさが似ているのに全く異なる火口底をもつクレーターです。すなわちハンスティーンの火口底には同心円状の隆起や亀裂がたくさん見られるにも関わらずビリーの火口底は平坦です。また、これらの2つのクレーターにはさまれて矢印の形ををしたハンスティーン山があります。この山は白っぽくて海の部分の溶岩よりシリカをたくさん含んでいます。この領域は、月の造山活動の複雑さを示唆する場所のひとつと言えるでしょう。撮影条件:SW DOB16 ニュートン式反射/SW EQ8R赤道儀/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒/2024年11月13日20時54分, 自宅にて。

    2025/05/26

    月面南縁のクレーター(5月5日)

      

     前回火星の投稿(3月6日)からほぼ2か月ぶりの天体投稿です。私事ながらこの2カ月、入院も含めた病院通いが引きも切らず、天体写真どころではありませんでした。ようやく一区切りして落ち着いてきたところです。これからも病院とは縁が切れませんが気候がよくなりますので少しづつ観望の機会を増やしていきたいと思います。

     今回の画像ですが、南側がこちらに傾いた(秤動)タイミングで撮影した月面東南縁のクレーター群です。手前(北)側のプサンゴー、ボグスロースキーやヘルムホルツ、やや奥まっている(南側)スコット、デモナックスやノイマイヤーのほか、最奥のヘールまで、クレーターの周壁がよくみえています。

     撮影条件:スカイウオッチャー(SW))DOB16 ニュートン式反射 (D40cm FL 180cm)/バーダーIRパスフィルター695nm/SW EQ8R赤道儀/ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/30秒。2025年5月5日18時37分, 自宅にて。

    2025/05/09

    野菜畑スタート(5月7日)

     

     例年ゴールデンウイークには夏野菜畑をブログに掲載していますが昨年、一昨年と観測小屋の建設と整備に追われ今年ようやく3年ぶりの「野菜畑オープン」記事になります。畑のむこうにみえるのは、左が2012年完成のSkyShed社POD、畑の右は2024年完成の自作観測小屋です。

     畑の作物はほぼサツマイモのみです。ナス、トマト、キュウリ等の夏野菜は同じ土地での連作ができないのですがサツマイモやカボチャはその影響が小さいからです。ということで、孫といもほりが楽しめて私の大好物でもあるサツマイモを植えているのです。サツマイモの苗には日よけのために枯草がかけてあり、畑の右端には虫よけのためネギを並植しています。あとカボチャとししとうが2本ずつです。

    2025/03/23

    火星(3月21日)

     久々に火星です。去る1月12日に9608万キロまで接近した火星の視直径は約15秒でしたがこの頃(3月下旬)は10秒を切るまでに遠ざかり観測意欲も薄れつつあるところです。しかしシーイングさえよければまだまだ模様がみえます。この3月21~23日は南高北低の気圧配置による南風が好シーイングをもたらしてくれました。撮影条件:Sky-Watcher DOB16(D40cm f180cm, F4.5)/ 同EQ8R-Pro赤道儀/バローレンズ5倍拡大、RGB画像:ZWO ASI290MCカメラ, ゲイン 357, シャッター 5.0ms (3000フレーム)、2025年3月21日20時19分から30秒間の動画をステライメージ9(st9)で50%スタッキング。L画像ZWO ASI290MMカメラ, ゲイン 85,  シャッター 31ms (1000フレーム)、2025年3月21日20時13分から43秒間の動画をst9で50%良像スタッキング、LとRGBを画像合成しました。

    2025/02/14

    M33(2014年11月21日)

     
       赤い散光星雲ばかり続いたので、昨年秋の撮影ですが系外星雲の未公開画像を紹介します。見かけの大きさがM31についで2番目に大きいM33星雲です。太い腕と内部の赤い散光星雲が見ものです。撮影条件SW DOB16反射望遠鏡 (D40 cm, F 180 cm)/ EOS6D/QBPフィルター  ISO 6400, 露出30秒, 20枚をDSS (deep sky stack) スタッキング. 2024年11月21日21時29-42分、自宅にて。

    2025/02/12

    オリオン座小三ツ星(1月25日)

     オリオン大星雲(M42, M43)の上と下には青白く光る星がありこれらを小三ツ星と呼んでいます。赤っぽい大星雲とは対象的に青いガスをまとっているので美しいコントラストを成しています。撮影条件SW DOB16反射望遠鏡 (D40cm, F 180cm)/ EOS6D/ QBPフィルター  ISO 12800, 露出30秒, 10枚をDSS (deep sky stack) スタッキング. 2025年1月25日21時43-47分、自宅にて。



    モンキーフェース星雲(NGC2174))(1月25日)

    モンキーフェイス星雲はふたご座のイメージが強いですが実はオリオン座の北の縁にあります。名前の由来はご覧のようにサルの顔に似ています。撮影条件SW DOB16反射望遠鏡 (D400 mm, F 1800 mm)/ EOS6D/ QBPフィルター  ISO 12800, 露出30秒, 10枚をDSS (deep sky stack) スタッキング. 2025年1月25日22時59-23時04分、自宅にて。