神酒の海は、直径約333kmの円形の「月の海(mare)」で、ギリシャ神話に登場する神々の飲み物「ネクタール」にちなんで名付けられました。その名の通り、科学的な魅力と詩的な響きを併せ持つ場所です。
地質学的な特筆点
約38.5億年前、巨大隕石の衝突によって形成された盆地で、ネクタリス代から前期インブリウム代にかけて誕生しました。表面は後期インブリウム代の地層に覆われており、月の地質史を語る重要な証拠となっています。周囲にはアルタイ断崖やティオフィルス、キリルス、カタリナなどの印象的なクレーターが点在し、地形的にもドラマチックです。また、フラカストリウス、ダグエレなど多くの埋没クレーターが点在しています。
探査と現代の関心
2024年、JAXAの小型月着陸実証機「SLIM」が神酒の海の西にあるキリルス・クレーター内の付近に着陸しました。直径わずか0.27kmの新しいクレーターが誕生し、SLIMの高精度着陸技術の象徴として「栞(Shioli)」クレーターと命名されました。日本の月探査における新時代の幕開けとされ、神酒の海がその舞台となったことは象徴的です。
撮影条件:SW DOB16 ニュートン式反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒、2025年6月1日19時23分44秒、自宅にて。
