2025/12/22

初冬の朝月「静けさの中の圧倒的な存在感」(12月9日、月齢18.7)


 12月の朝方、中天高くかかる月は、満月の華やかさとは違い“成熟した美しさ”を見せてくれています。
    東の空がわずかに明るみ始める頃、「夜の終わり」と「朝の始まり」が同時に存在する時間帯に月が輝くのは、特別な情景です。満月の圧倒的な明るさとは違い、月齢19の月は少し欠けた分だけ柔らかさと深みが増すため、どこか詩的で落ち着いた雰囲気があります。岐阜の冬は湿度が低く、空気が澄むため、月の光がキラリと硬質に輝くように見えます。月の周囲の空が深い藍色に沈み、コントラストが強く、写真のような美しさになります。また、夜明け前の空には、オリオン座のリゲル、ベテルギュース、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンなど冬の一等星が勢ぞろい。その中で月が高く輝く光景は、まるで天空の舞台の主役のようです。 この月を21枚の拡大画像を使ってモザイク化してみました。
 特徴として、1) 月齢19では、欠け際の境界線に沿ってクレーターの影が長く伸びるため、観察の“旬”と言われるほど。特にティコ、クラビウス、コペルニクスなどの大クレーターが美しく浮かび上がります。
     2)月の高度が高い=観察条件が最高;  中天付近の月は大気の層を最も薄く通るため、ゆらぎが少なく、細部がクリアに見えます。
 撮影条件:スカイウオッチャー(SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/ (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年12月9日5時46分~6時11分に撮影した21枚の動画 (100枚フレーム/20秒/枚)を静止画像としImage Composite Editorでモザイク化。
 

2025/12/18

ふたご座流星群2025撮影記録(12月14-15日)

       12月14日夜半から15日の朝にかけてふたご座流星群を撮影しました。極大時刻は14日17時ごろですが、夕方は時折雨、曇天が続きました。しかし深夜から一転して空が晴れ渡り幸運にもいくつかの流星をカメラに捉えることができました。今回は静止カメラと追尾カメラ3台を使って撮影を行い、最も多くの明るい流星を記録できた静止カメラの画像を選びました。オリオン座付近(番号1, 2)、しし座付近(3, 4)、そしてプレセペ星団付近(5, 6)の流星を2枚ずつ、計6個を紹介しています。星座や星団を背景に流れる光跡は、冬の夜空を彩る壮大な瞬間の記録です。澄んだ空気の中で星々と流星が織りなす光景をご覧ください。

撮影方法:Tamron 28-3-00mm zoomレンズをキャノンEOS6Dに取り付け、28mm、ISO800、露出20秒, インターバル1秒の条件で三脚に固定し、20時くらいから夜明け(6時)頃まで撮影。自宅庭にて。

2025/12/12

この秋の月面ハイライト6 【暮れなずむクラビウスとロンゴモンタヌス】(9月16日)

     夕暮れの光に照らされるクラビウス。広大なクレーター底に差し込む陽光が、静かなシルエットを描き出し、隣接するロンゴモンタヌスとともに月面南部の荘厳な風景を形づくっています。撮影条件:SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビュー パワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター 695nm/ ZWO ASI 178MM CMOS モノクロカメラ 100フレーム/20秒、2025年9\9月16日5時53分、自宅にて。

この秋の月面ハイライト5 【ジャンセンとレイタ谷】(10月9日)

    画面中央は、月面南東部に位置する巨大なジャンセン・クレーターです。直径190kmを超えるこの古い隕石衝突痕は、浸食と重複する衝突によって複雑な内部構造を見せています。周壁は崩れ、内部には大小のクレーターが重なり合い、まるで月面の歴史を刻んだ年代記のようです。そのすぐ北東に伸びるのが、レイタ谷(Rheita Valley)。幅数十km、長さ500km近くに及ぶ壮大な谷は、連続した衝突盆地が連なって形成されたと考えられています。この画像では、ジャンセンの古さとレイタ谷のスケール感を同時に捉えることができました。撮影条件:SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビュー パワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター 695nm/ ZWO ASI 178MM CMOS モノクロカメラ 100フレーム/30秒、2025年9\10月9日1時16分、自宅にて。

 

この秋の月面ハイライト4 【虹の入り江とその向こう】(9月16日)


       虹の入り江とその奥の南東縁を、いつもより45度、時計方向に回転させて眺めた風景です。ちょっと斬新さを感じないでしょうか?縁に近いクレーターでは、中央やや左にレプソルド、右にピタゴラス、それらの奥の中央にクセノファネスなど、日頃あまり耳慣れない大きなクレータが並んでいることがわかります。月を周回する宇宙船から見たような雄大な風景です。撮影条件:SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビュー パワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター 695nm/ ZWO ASI 178MM CMOS モノクロカメラ 100フレーム/20秒、2025年9月16日6時2分、自宅にて。

2025/12/04

この秋の月面ハイライト3 【ヘシオドス渓谷流域の多彩な構造物】(9月16日)

 視野の中央を横切るのは、長く続くヘシオドス渓谷(名称記載)です。その蛇行は、大地が静かに裂けていく瞬間を示しているかのようです。渓谷の北東に広がるWurzelbauer(ヴルツェルバウアー)(名称記載)クレータの内部には、大小の衝突痕が幾重にも重なり、月面が長い時間をかけて刻まれてきた歴史を物語っています。さらに南側では、密集する中小クレーター群が複雑な陰影を描き出し、まるで地形そのものが語りかけてくるようです。そしてKies(キース)埋没クレーター(名称記載)は周壁だけを残し、その隣に控えるドーム状の隆起がかつての火山活動の痕跡であることを静かに示しています。この一枚の画像中に、衝突・断層・火山活動が織りなす多彩な構造が凝縮されているようです。

 撮影条件:スカイウオッチャー(SW) DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM(モノクロ) CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年9月16日5時54分、自宅にて。

この秋の月面ハイライト2 【ーコペルニクスー 壮大な衝突痕と静かな火山の証】(9月16日)

   コペルニクスとその周辺には、二つの対照的な痕跡―壮大な衝突クレーターとその西方に点在する火山性ドーム群(画像からは外れていますが)が顕著です。コペルニクスは巨大衝突が残した直径90kmを超える劇的な構造であり、周壁や中央丘がそのエネルギーを物語っています。一方、ケプラーとの間に並ぶドーム群は、月の内部から静かに噴き出した溶岩が築いた丘状の地形で、火山活動の証拠と見られています。
 撮影条件:スカイウオッチャー(SW) DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM(モノクロ) CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年9月16日5時57分、自宅にて。

2025/12/03

この秋の月面ハイライト1 【バイイとシラー・ズッキウスベイスン】(9月16日)

 この秋に撮影した下弦前後の月面画像を紹介します。よく知られた名所より、精細によく撮れたもの、構図に斬新さを感じるものなど、自分自身が感激した作品を選んでいます。今回は、月面南東部縁のバイイとシラー・ズッキウスベイスンです。     
月面南東縁に広がる巨大な衝突の痕跡――直径数百kmに及ぶこの二つの構造が隣接する姿は、月面でも特に壮大な景観のひとつです。古代の天体衝突が残した地形が、現在も鮮明に私たちの望遠鏡に映し出されることに、宇宙の時間の長さを感じます。

撮影条件:スカイウオッチャー(SW) DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM(モノクロ) CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年9月16日05時51分、自宅にて。

月(月齢9.9)のモザイク画像(11月30日)

1枚撮りでは月面の詳細は表現できないので13枚の画像を1枚にモザイク化してみました。画像を大きく載せるため横置きにしてあります(左:南)。マクロな視点から、1) 南部の山岳地帯、2) コペルニクスを中心に北側の雨の海と南側の雲の海、3) 晴れの海、静かの海、豊の海と連なる海の中のパッチー模様、などが注目点でしょうか。撮影条件:スカイウオッチャー(SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 100フレーム/20秒、2025年11月30日15時54分~16時11分に自宅で撮影した13枚の動画(100枚フレーム/20秒/枚)を静止画像としImage Composite Editorでモザイク化。

 

2025/12/01

輪がさらに細くなった土星(11月15日)

  
 
この秋のメインイベント、土星の輪がさらに細くなりました。もはや土星本体の適正露出では輪はほとんど見えません。ゲインをあげるとそれなりに輪が濃くなります(下)が、土星本体に適正な露出、ゲインではほとんど輪は写りません(上)。撮影条件:Sky-Watcher DOB16(D40cm FL180cm, F4.5)/ 同EQ8R-Pro赤道儀 / テレビュー バローレンズ 5 x 拡大、Zwo ASI290MCカメラにてカラー撮影 (2000コマ)。ゲイン311, 露出76 ms, 2025年11月15日 21時32分 (上)、ゲイン444, 露出72 ms, 11月15日 21時27分(下)、自宅にて。