カシオペヤ座の一角に広がる胎児星雲(IC1848)は、ハート星雲(IC1805)と並んで「ダブルハート」と呼ばれる巨大星形成領域です。地球から約6,500光年、散開星団NGC 1893を中心に、若い星々が周囲の水素ガスを強く照らし、赤い輝き(Hα)が雲状に広がっています。内部では新しい星の誕生が進行しており、暗黒帯が複雑に入り組む姿は、胎児を包む羊水のように見えることからこの名がつきました。特に星団から吹き出す強い恒星風がガスを彫刻し、柱状構造(ピラー)や空洞(キャビティ)を形成している点が見どころです。
初秋の夜空に浮かぶこの星雲は、ハート星雲と対を成すことで一層ドラマチックな姿を見せてくれます。季節の移ろいとともに、宇宙の「命のゆりかご」を楽しんでいただければ幸いです。
撮影データ:Seestar S50 / 2026.08.06 04:19 / 104分露光

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