2025/09/14

ターコイズフリンジに注目(9月8日)

  赤銅色の月の縁に青緑色の帯が浮かび上がる『ターコイズフリンジ』のようなものが確認できました。これは地球の成層圏にあるオゾン層が赤い光を吸収し青い光を透過することで生じる現象と言われています。ホワイトバランス調整を含めいくつかの画像処理を加えて明瞭化を試みてみました。撮影機材は前の画像に同じ。ISO800, 露出3.2秒、2025年9月8日20時28分。

2025/09/13

ターコイズフリンジと赤銅の月:9月8日未明の皆既月食

 

 9月8日未明の皆既月食は、自宅の南西にある山の影響で開始時から皆既食の最深部到達までの限られた時間しか観測できませんでした。しかし、好天に恵まれ、皆既食の核心部分を撮影することができました。画像の説明:00:24は食前の通常の月、00:57から01:29は半影食の月、01:39から02:19は部分食の月、02:26から02:49は皆既中の月。皆既月食時の半影月食は注目度が低いですが地球の影に徐々に覆われていく様子は興味深いです。時とともに月は劇的に変化し、02:20頃には赤銅色に染まった皆既食の月が現れました。皆既に入る直前、月の縁に青緑色の帯が浮かび上がる『ターコイズフリンジ』が確認できました。これは地球の成層圏にあるオゾン層が赤い光を吸収し青い光を透過することで生じる現象です。撮影条件:CAPRI-80ED屈折 ((D80mm, FL560mm、F7)赤道儀(スカイウオッチャーEQ3)、Canon EOS6Dカメラ、撮影時刻は図中に示す。撮影のISOと露出時間は以下に示す。1) 00:24画像, ISO200, 1/400秒、 2) 00:57画像、ISO200, 1/500秒)、3) 01:13画像、 4) 01:29画像、ISO200, 1/250秒、5) 01:39画像、ISO200, 1/200秒、 6) 01:54画像、ISO200, 1/125秒、7) 02:06画像、ISO200, 1/125秒、 8) 02:19画像、ISO800, 1/200秒、9) 02:26画像、ISO800, 1/2秒、10) 02:32画像、ISO800, 1/2秒、11) 02:41画像、ISO800, 1.3秒、12) 02:49画像、ISO800, 3.2秒。2015年9月8日、自宅にて。


2025/09/10

山の端をゆく皆既中の月(9月8日)

 山の端の木々かすめる皆既中の月です。みずがめ座の星々がかすかな光を放ちます。我が家の南西には角度30°以上の山があり、この後しばらくして赤い月は山陰に隠れました。撮影条件:タムロンズームレンズ(250mm)ISO1800、露出2.0秒、2015年9月8日02時50分頃、自宅にて。

2025/09/08

皆既月食(9月8日)

 

今回の皆既月食(2025年9月8日未明)は、約3年ぶりに日本全国で観測可能な貴重な機会でした。月は 1時27分に欠け始め、2時30分から3時53分まで皆既状態となり、4時57分に部分食が終了しました。岐阜県周辺では前線の影響が懸念されていましたが、太平洋側では晴れ間が広がり、観測には絶好の条件となった地域も多かったようです。画像は2時50分頃の皆既中の月の速報です。近日中に月食のまとめをアップします。撮影条件:CAPRI-80ED屈折 ((D80mm, FL560mm、F7)赤道儀(スカイウオッチャーEQ3)、Canon EOS6Dカメラ、ISO1800、露出1.5秒、2015年9月8日02時50分、自宅にて。


2025/08/24

Seestar S50によるオメガ星雲(M17)とわし星雲(M16)(8月19日)

  Seestar S50で撮影した夏の南天の散光星雲第2弾です。オメガ星雲(M16)とわし星雲(M17)は銀河系の同じ渦巻腕に属しており、同じ巨大分子雲複合体と考えられています。
わし星雲(M16)は、へび座にあり、距離は7000光年で、散開星団(NGC 6611)と散光星雲(IC 4703)から成ります。ハッブル宇宙望遠鏡が1995年に撮影した暗黒星雲の柱状構造(中心部)は星が誕生する象徴的画像として知られています。
オメガ星雲(M17)は、いて座にあり、距離は5000年で、輝線星雲と散開星団(NGC 6618)から成ります。約35光年の広大なガス雲の中で数百の若い恒星が誕生しています。
 撮影時刻:オメガ星雲(M17)2025年8月19日20時52分~59分の7分間露出;わし星雲(M16)2025年8月19日20時34分~41分の7分露出。いずれもSeestar S50で自動撮影。

Seestar S50による干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20)(8月19日)

 夏の南天を飾る散光星雲です。連日の猛暑で夜になっても気温は下がらず汗をふきふきの撮影でSeestarの登場となりました。当方の据え付け望遠鏡は南の低空が死角になっていることも理由です。SeestarならM8とM20を同一視野で撮れると思っていたのですが、M8だけでも2分割撮影が必要でした。思った以上にSeestar S50の視野が狭いこと言い換えると拡大率が高くその分高解像であることを再認識しました。

 撮影時刻:干潟星雲(M8)2025年8月19日19時36分~43分と同19時47分~54分で撮影した2枚のスタック画像をImage Composite Editorでモザイク化; 三裂星雲(M20)2025年8月19日20時22分~29分。いずれもSeestar S50で自動撮影。

2025/08/05

ジャンセンとレイタ谷(6月5日)

 ジャンセン周辺の拡大です。ジャンセンは直径200キロのクレーターで内部に細い峡谷(ジャンセン峡谷など)がありますが、その西側には幅の広い長いレイタ谷がクレーターを削りながら走っています。この細い峡谷(Rille)と太い谷(Valley)の存在がこの境域の特性と言えます。
 ジャンセンのほかにも、ポシドニウス、ガッサンディ及びアルフォンススといったクレーターの内部には細い峡谷が走っていますが、ジャンセンは、他のクレーターに比べて周壁の崩壊が進んでおり、内部の谷も控えめです。そのため地形としての「古さ」が際立ち、衝突後の長い年月におよぶ風化や地殻変動の影響が色濃く残っています。クレーター内の峡谷は、主に衝突後の地殻の緩みや火山活動によって形成されたと考えられています。一方で、レイタ谷は全長約500km、幅最大30kmにも及ぶ巨大な構造でありクレーター内の峡谷とはまったく異なります。成因としては、月全体の地殻活動に関わる大規模な力学的プロセスが関与していると考えられています。
  まとめると… ジャンセンなどのクレーター内峡谷は「局所的・構造的」な地形なのに、レイタ谷は「広域的・力学的」な地殻変動の痕跡で、スケールも成因も異なる月面地形の多様性を象徴しています。
撮影条件:スカイウオッチャー(SW DOB16 反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 100フレーム/10秒、2025年6月1日19時20分56秒、自宅にて。



2025/08/02

太陽黒点群(8月2日)

 最近の太陽活動のトレンド
 太陽活動周期25(サイクル25)は現在、極大期のピークに達していて、今年(2025年)7月には、黒点群4114がX1.2やX1.9といった最大レベルの太陽フレアを発生させました。Xクラスのフレアは地球の電離層に影響を与え、通信障害やGPS の誤差を引き起こすことがあり、 8月以降も警戒が呼びかけられています。

画像の観察ポイント 半暗部と暗部の構造が明瞭で、主黒点の周囲に小黒点群が散在しており、磁場の複雑性が示唆されます。黒点の形状が楕円〜不整形で、成長期の活動領域であることがうかがえます。したがって、写っている黒点群は活動領域 AR 4114である可能性が高いようです。
撮影条件:ZWO社 Seestar  S50 (サングラス装着)により2025年8月2日9時1-2分に撮影。自宅にて。

2025/07/30

神酒の海(Mare Nectaris)—月面に広がる神話と科学の交差点(6月1日撮影)

 神酒の海は、直径約333kmの円形の「月の海(mare)」で、ギリシャ神話に登場する神々の飲み物「ネクタール」にちなんで名付けられました。その名の通り、科学的な魅力と詩的な響きを併せ持つ場所です。
地質学的な特筆点
 約38.5億年前、巨大隕石の衝突によって形成された盆地で、ネクタリス代から前期インブリウム代にかけて誕生しました。表面は後期インブリウム代の地層に覆われており、月の地質史を語る重要な証拠となっています。周囲にはアルタイ断崖やティオフィルス、キリルス、カタリナなどの印象的なクレーターが点在し、地形的にもドラマチックです。また、フラカストリウス、ダグエレなど多くの埋没クレーターが点在しています。
探査と現代の関心
 2024年、JAXAの小型月着陸実証機「SLIM」が神酒の海の西にあるキリルス・クレーター内の付近に着陸しました。直径わずか0.27kmの新しいクレーターが誕生し、SLIMの高精度着陸技術の象徴として「栞(Shioli)」クレーターと命名されました。日本の月探査における新時代の幕開けとされ、神酒の海がその舞台となったことは象徴的です。
撮影条件:SW DOB16 ニュートン式反射/SW EQ8R赤道儀/SWコマコレクター (F4-5用)/テレビューパワーメイト 2.5 x (合成f 4500mm F 11.25/バーダーIRパスフィルター695nm/ ZWO ASI 178MM CMOSカメラ 200フレーム/10秒、2025年6月1日19時23分44秒、自宅にて。

2025/07/09

月面の色彩(4月7日)

 
 月面の色彩は、通常のカラー画像では目立ちませんが、色を強調する処理を施すことで、微妙な色の違いが浮かび上がります。大気による光線の吸収ができるだけないように天頂近くに高く昇った月齢9の月を対象に、ZWO社製ASI 183MC CMOSカラーカメラで撮影した画像をモザイク化しこれに彩度の強調処理を行いました。右側がPhotoshop CCで彩度を強調したもの、左側はカラー情報を破棄したのちに同様に彩度強調した(彩色されないことを確認)ものです。南(下)部の山岳地帯(クレーター密集地帯)と北(上)部の「氷の海」とその周辺は薄い茶に、晴の海は、縁が青でそれ以外の中心は茶に、「静かの海」、「豊かの海」は青色に染まっています。この違いは、主に海を形成する玄武岩の化学組成の違いに起因します。「静かの海」はチタン(TiO₂)含有量が高いので 青色が強くなり、「晴の海」はチタン含有量が低く鉄分が多いため 赤み強くなります。鉱物組成の違いが色彩に反映されており、これは月の火山活動の履歴やマントルの化学的多様性を示唆しています。

撮影条件:スカイウオッチャーDOB16 ニュートン式反射 (D400mm、f1800mm)/スカイウオッチャーEQ8R赤道儀/ZWO ASI 183MC CMOSカラーカメラ 露出10秒/200フレーム、2024年4月7日21時54-58分、50コマ/35秒動画を処理。5枚の静画5枚をモザイク化。自宅にて。