2020/02/16

嵐の大洋と虹の入り江(2019年9月24日)

この画像のアピール点は、虹の入り江です。虹の入り江は、月面随一の名所ですが、あまり作品の対象として紹介されることはなく不思議です。虹の入り江は月面での位置から、上弦過ぎの月齢11から13と下弦過ぎの月齢22から24が欠け際となり見ごろとなります。虹の入り江は上弦過ぎには日光を正面から受け(前者)下弦過ぎには背面から日光を受けます(後者)。後者より前者(上弦過ぎ、月齢22-24)の方が生理的に見やすいため圧倒的に前者の虹の入り江がよく撮影されているのでしょう。しかし、視覚的にはこの画像のように背面から日光を受ける後者の虹の入り江の方が美しく、作品としては価値があると思っています。
 虹の入り江に限らず、この時期の月(下弦過ぎ)は海の比率が高く、すっきりしていて、独特の美しさがあります。広い嵐の大洋ではケプラーやアリスタルコスなど発達した光条をもつクレーターが目立ち、雨の海の虹の入り江では、周壁のジュラ山脈が入り江に影を落としていて非常に印象的です。
  英オライオン社 VX12 (D30cm, FL120cm)(テレビュー社パラコアタイプ2を装着) + テレビュー社パワーメイト2.5 x   (合成焦点距離 300cm, 合成F10)。2019年09月24日05時10分40秒から約30秒間の動画撮影 (300フレーム) 

2020/02/06

シッカルド、ワルゲンティン、フォキリデス(2019年9月24日)(天文ガイド3月号に入選)

月の南西部にあるシッカルドは大きいクレーターですが、その南に位置するワルゲンティンとフォキリデスと併せて、大小の三連クレーターとしての印象が強いです。
撮影条件と画像処理:2019年9月24日05時25分34秒。英オライオンVX300-S (D300mm FL1200mm F4.0  ニュートン式反射) テレビューパラコア2、パワーメイト 5x(合成F20) バーダープラネタリウム IR685パスフィルター ケンコーEQ6-PRO赤道儀 ZWO ASI183MMモノクロCMOSカメラ 30秒間に撮影した300フレームをスタック処理 AutoStakkert!3ほかで画像処理 キャノンPIXUS MG7530出力。撮影地/岐阜市
【天文ガイドのコメント】古川さんの作品は、月面南西部のクレーターを30cm鏡でとらえたものです。この辺りは特徴のあるクレーターが多く見られます。たとえばワルゲンティン(中央やや右上)は内部が堆積物(溶岩)でほとんど埋まっていて、縁の部分はたったの300㎡くらいしかありません。*編集部:表題のクレーター名は原語読みに近い「天文年2020」に合わせて訂正しました。
【作者追加説明】訂正は(ワルゲンチン→ワルゲンティン)

湿りの海(2019年9月24日)(星ナビ3月号に入選)


湿りの海は、内部に谷や峡谷が走る複雑なガッサンディやドッペルマイヤーなどの半埋没クレーターを周囲に持ち、常に注目され、引き付けられる存在です。同時に「写りのよい対象」でもあります。
撮影条件画像処理など:英オライオン社VX12(D300㎜、FL1200㎜ F4)+ テレビュー、パラコアタイプ2+テレビューパワーメイト 5 x(合成6000mm F20) ZWO ASI183MM  Baader IR685パスフィルター  ケンコーEQ6Pro 赤道儀 2019年9月24日05時28分 30秒間300フレーム 4フレームモザイク AutoStakkert!3/RegiStax6/Photoshop CC/ StellaーImage8/Image Composite Editor  キャノン PIXUS MG7530 自宅(岐阜市内)にて。
【作者のコメント】湿りの海の東岸の山岳地帯が、西岸のそれに比べると急峻で尖っているようにみえます。成因と関係があるのでしょうか。また秤動のためディめりの海もガッサンディも普段より円形にみえています。
【星ナビギャラリーのコメント】高解像ですばらしく良く写っています。同心円状になっている静脈のように見えるリンクルリッジや谷、崖の構造の詳細がわかります。

2020/01/28

魔女の横顔星雲(1月21日)

オリオン座周辺の星雲4つ目です。今回はリゲルの隣で淡い光を反射している「魔女の横顔星雲(IC2118)」です。赤が主体のオリオン座の他の散光星雲に比べ、白/青っぽいのが特徴で、離れた恒星の光を反射する淡い光芒です。リゲル(左下の輝星)の下方にみえる淡い赤い星雲はバーナードループの西南端です。FS60CB (D60mm, FL255mm) /EOS6D (HKIR改造)をEQ3赤道儀に載せて、ISO12800, 3分露光。ノータッチガイド。QBPフィルター使用。撮影時刻:2010年1月21日22時36分~23時07分。10枚コンポジット (DSS)。

2020/01/27

オリオン座バーナードループ東岸(1月22日)

バーナードループは四角形のオリオン座を円形に縁どる赤い星雲で、古く銀塩時代から今日のデジタル時代まで変わらないオリオン座の代名詞です。しかしデジタルカメラで比較的容易に写せるようになった現在でも高解像の画像はあまりみないように思います。今回はループの東側をM78とともに撮影してみました。驚いたのは、ループとM78の間をつなぐような淡いまっすぐなフィラメント構造が見えることでした。artifactsの可能性も考えられたので他の方の画像をネットで調べてみますと、確かに同じものが写っていました。今後、ループのほかの部分についても拡大画像を撮ってみたいと思います。
 FS60CB屈折鏡/EOS6D(HKIR改造)をEQ3赤道儀に載せノータッチガイド。ISO12800, 露出3分。QBPフィルター。2020年1月22日00時42分~01時13分。

2020/01/26

西に傾くオリオン座(1月22日)

少し星景っぽいもので季節を感じることにしましょう・・。
冬の星座オリオンが夜半過ぎには西に傾くようになり、「春近し」を感じさせるようになってきました。バーナードループがうっすら見えています。これは、夕暮れ時北の空を昇り始める北斗七星と同じ、春を待つメッセージですね。今年は暖冬であるだけでなく季節の巡りも早まっているようです。ここのところの悪天続きはなんと「菜種梅雨」の走りらしいです。結果、冬の晴天日が少なくなって撮影に行ける日が減っています。
 EOS60D (APS-Cサイズ、HKIR改造)のボディに24㎜広角レンズ(F1.4をF4.0に絞る)とソフトフィルターを装着。ISO1600、露出60秒。スカイメモSでガイド。2019年1月22日 00時45分。5枚コンポジット処理。うすずみ温泉にて。

オリオン大星雲と馬頭星雲(1月21日)

オリオン座中央部の定番の構図です。オリオン座は全体を淡い星雲に包まれていて、オリオン大星雲(M42+M43) や馬頭星雲近傍(IC434)は最も濃い部分になります。濃い星雲は容易に写せますが、淡い星雲は高い透明度や長時間露出を必要とします。今回の総露出は45分と短めですがNik Collection のColor Efex Pro4処理で引き出すことができました。撮影条件:スカイウオッチャーEQ3赤道儀に載架したFS60CB 屈折 (D60mm, reduced FL225mm) にEOS6D (HKIR)カメラボディーを装着し、ISO6400、露出3分で撮影。QBPフィルター使用。15枚の画像をDeepskystacker (DSS)でコンポジット。ステライメージ8、Photoshop CCなどで画像処理。撮影時間:2020年1月21日 21時37分~22時22分。うすずみ温泉駐車場にて。