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2018年4月30日月曜日

昨夜の木星(4月29/30日)

 昨夜の木星です。昨夜は秤動による月の東端を撮るのが主目的でしたので先に月を撮りましたが、望遠鏡を木星に向けた頃から急に雲が出てきて撤退しました。シーイングは今一つで精細な模様は見えていません。Orion VX12 (30cm, f=120cm)にバローレンズでx5倍引き伸ばし。ZWO社ASI224MCカメラで30秒間の動画撮影(1100フレーム)。スタック、ウエブレット処理、2018年4月29日23時31分。自宅にて。

2018年4月29日日曜日

月面散歩 ー3月26日夜ー

 3月25日から27日までは好シーイング下で月面撮影を行うことができました。3月26日に撮影した月の名所をいくつか紹介します。すべて上が南です。
クラビウスとモレトス:クラビウスは説明を要しないほど何回も本ブログに登場しています。直径250㎞の超巨大クレーターの一つです。その南には中央丘をもつモレトスがあります。撮影条件:Orion VX12 (D30cm, f120cm)に5 x バーローレンズの直接焦点像をZWO社ASI 174MMで15秒間動画撮影。IR720パスフィルター。800から1000枚の画像をスタック、ウエブレット解析。2018年3月26日20時16分。

 ヒギヌス谷とトレスネッカー谷:細い谷や峡谷の集まる領域です。ヒギヌス谷は谷の内部に小さなクレーターが散在しています。トレスネッカー谷は細い峡谷が絡み合った構造で明らかに両者は成因が異なります。撮影条件は上に同じ。2018年3月26日20時04分。

 コペルニクスとエラトステネス:コペルニクスは月面のほぼ中央にあり満月頃になると輝線を周囲に伸ばして非常に目立ちます。クレーターとしては直径は93kmとそれほど大きくないのに周壁が3.8kmと高いのが特徴です。画像ではクレーター底の3分の1程度に日が当たっていますが高い周壁のため日光は斜めからより上から当たる時間が長いことになります。コペルニクスは巨大隕石の衝突によってできたと考えられますが吹き飛ばされた噴石によって二次的に出来たと考えられる微小なクレーター鎖が周囲、特にエラトステネスとの間にたくさん見えています。2018年3月26日19時48分。

 アルプス谷周辺:アルプス山脈の中ほどにあるひっかき傷がアルプス谷です。隕石が斜めから衝突したのでしょうか?谷の内部には小さな溝があり画像でも確認することができます。周囲には個性的なクレーターとして、カッシーニ、アリストテレス、エウドクソスがあります。2018年3月26日19時56分。






天の川の赤い星雲(M16, M17, M8, M20, 4月21日)

 夏の天の川を彩るM16M (わし星雲) とM17 (オメガ星雲)です。両者はこの画像のように天の川のスタークラウドを背景にツーショットで撮影されることが多いようです。ニックネームはM16がわし, M17がギリシャ文字のΩに似ていることに由来します。横置きですが左側が北になります。撮影日時:2018年4月21日03時17分。Raw画像3枚コンポ。

暗黒星雲が交錯するスタークラウドを背景に、青と赤のコントラストがとても美しいM20三裂星雲と広がりのある複雑な濃淡をもつM8干潟星雲です。M8から画面下側に伸びる淡い星雲はその形から猫の手と呼ばれる星雲です。左側が北になります。オートガイドが直前に不調となったためノータッチガイドで2分間露出。撮影日時:2018年4月21日03時54分。Raw画像3枚コンポ。

2018年4月28日土曜日

月面散歩 ー直線の壁ー(3月25日)

3月、4月はまとまった連続晴れがあり月面撮影の機会がたくさんありました。シーイング良好の日も結構あり、CMOSカメラの画像は重いのでハードディスクはすぐに満杯になってしまいました。早々に処理して元動画を消去する必要に迫られています。多くの画像の中からいくつか紹介します。まずは「直線の壁」。名称は別画像で示します。Orion VX12 (D30㎝、f120㎝) 反射望遠鏡の直接焦点像をZWO社 ASI 174MMカメラで動画とし、スタック、ウエブレット処理。2018年3月25日20時38分。自宅にて。

 

夏の定番、北アメリカ星雲(4月21日)

久しぶりの北アメリカ星雲(NGC7000)とペリカン星雲(IC5067, 5070)です。白鳥座のデネブの近くにあって赤緯が高いため冬から春の一時期を除けばいつでも見えてしかもしっかりと写ってくれる有難い存在です。
撮影機材、撮影条件は前項と同じ。2018年4月21日01時28分。5枚コンポジット。しらびそ高原にて。

彼岸花星雲と出目金星雲(4月21日, しらびそ高原)

天の川が南の地平に沈むところ、サソリのシッポのあたりに並んで憩う彼岸花星雲(NGC6357)と出目金星雲(NGC6334)です。透明度が一定以上ならしらびそ高原では容易に撮影することができます。今回は255mmの短焦点で両者を一画面に収めました。また、Nik Collection Color Effex Pro4 処理で 背景の淡い銀河/星雲も引き出すことができました。
 タカハシFS-60CB (レデューサーでf=255mm) にEOS60D(APS-C)を装着して直接焦点撮影。ISO3200, 露出5分, x 4枚 (Raw)をコンポジット、Nik Collection処理。2018年4月21日01時44分。長野県飯田市しらびそ高原。

2018年4月22日日曜日

しらびそ高原の天の川(4月21日)

 ここのところ晴れる日が多く撮影機会が例年より増えています。そのため画像処理が追いつかない状況でうれしい悲鳴です。2週間ブログ改訂していないので、一昨日遠征(4月20日~21日)したしらびそ高原の天の川を急遽掲載します。しらびそ高原は標高2000mの言わずと知れた星空の名所で、とりわけ南天の暗さが定評です。今の時期は、比較的光害が少なく気流が安定する夜明け前に南中するので天の川の撮影好機となっています。下の画像は弱いコントラスト処理と色補正をしただけの ”撮ったなりの1枚画像(JPEG)"ですが、サソリ座のシッポにある彼岸花星雲や出目金星雲が余裕で写っています(丸印内)。しらびそでは他にも種々撮影できたので後日掲載する予定です。
キャノンEFS 18-55mmズームレンズ(30mmで使用)を装着したキャノンEOS 7i (Seo IR換装)で撮影。ISO3200, 露出2分。2018年4月21日03時29分。

2018年4月9日月曜日

M63(ひまわり銀河)(3月11日)

りょうけん座のM63はその形からひまわり銀河とも呼ばれます。本当に愛らしい星雲ですね。この画像では見えていませんが全体が淡い星雲に包まれています。
FC100DL直接焦点(f=590mm)。EOS6D (Seo-SP) 、ISO3200, 露出3分。2018年3月11日02時24分。

2018年4月8日日曜日

M109とNGC3953(3月10日)

M109銀河(NGC3992)とNGC3953銀河は同一視野内に写るほど近くに見えますが下の画像では間隔を一部削除して並べています。M109はメシエカタログ収載の星雲としては小さく暗くてあまり見栄えがよくありません。一方でNGC3953はM109に見劣りしない渦巻き銀河であることから、メシエカタログ収載の折にM109の候補と目されたのはNGC3992ではなくNGC3953であるという説もあるほどです。下の画像をよく見ると両銀河の周辺には伴銀河や小さな銀河がいくつも見つかります。M109周辺の銀河はNGC3953も含め「M109銀河群」と呼ばれ距離的にも近い関係にあります。

M81とM82(3月10日)

春定番のM81+M82です。FC-100DLで撮影したRaw/TIF画像から処理を開始したのでいつもより色彩と濃淡の豊かな画像が得られました。
FC100DL (reducer f=590mm)の直接焦点像。EOS6D (Seo-SP), ISO3200, 露出3分x8枚コンポジット。2018年3月10日19時34分、うすずみ温泉駐車場にて。  

M108銀河とM97ふくろう星雲(3月10日)

おおぐま座のM108は銀河系外の銀河、M97は銀河系内の惑星状星雲です。地球からの距離も性質も全く違う二つの星雲ですが見かけ上は角度の45分(月の1.5倍)しか離れていないので低倍率では同一視野に見えます。示した画像はタカハシFC-100DL(レデューサーでf=590mm)で撮影したものです。小さな星雲の細部を撮影するには焦点距離の長い鏡筒が有利ですのでタカハシの鏡筒の主焦点(f=900mm)での撮影を主体にする計画です。
EOS6D (SEO-SP) ISO3200, 露出3分x8枚コンポジット。2018年3月10日23時38分。うすずみ温泉駐車場にて。

2018年4月6日金曜日

春の月(4月3日, 月齢16.1)

 朧月夜は春を代表するイメージですが、桜と重なる3月末から4月半ばにかけては”なたね梅雨”と言われる長雨が続き観月には不向きな天気になることが多いのです。しかし今年は上空のジェット気流が列島の北と南に分かれて走り本州付近は安定した高圧帯となって晴れが続いたとかで、煌々と輝く「夕月」を堪能できました。透明度だけでなくシーイングも良好で月面拡大撮影のチャンスでした。今後少しずつ画像を紹介させて戴きますが、今回は4月3日、満月から1日余り後の月(月齢16.1)です。
 比較的良シーイングであったため低倍率でもインパクトのある像となりました。Orion VX12 反射直接焦点。ASI174MMカメラによる15秒間の動画(900フレーム)をスタック、軽いウエブレット処理した2枚の画像をモザイクしたもの。2018年4月3日00時41分。
月面の東端の中央部(上の□部分)を拡大したもの。明るい左側の大きなクレーターはペタビウスで中央丘にかかる大きな峡谷が特徴です。欠け際の、周壁と中央丘だけが見えている二つのクレーターは、上がヘカタエウス、下がフンボルトです。月の首ふり(秤動)によって見えたり見えなかったりするクレーターです。撮影条件は上に同じ。x5 バーローレンズで拡大。01時01分。

2018年4月4日水曜日

木星(4月4日)

今回はCMOSカラーカメラ【ZWO社ASI224MC】で撮りました。シーイングは今一つでシャープさがなく解像度が出ていません。南中少し前ですが高度が低く気流の悪影響を受けているようです。
Orion VX12 (30cm, f=120cm)にバローレンズでx5倍引き伸ばし。ZWO社ASI224MCカメラで1分間の動画撮影(4400フレーム)。スタック、ウエブレット処理、2018年4月4日00時55分頃。自宅にて。

2018年4月3日火曜日

火星(4月3日)

 今シーズン初めての火星です。4時半に起きると月と木星はすでに山の端に隠れ、土星と火星はほぼ南中している状況でした。日の出まで1時間足らずとあまり時間がないので火星に絞りました。像が飛び跳ねて落ち着かない状態が30分ほど続きましたが、日の出頃からシーイングが改善しモニター画面で模様が判別できる程でした。そのチャンスを捉えたのが下の画像です。まるで十三夜の月のような趣です。上の左側にはアキダリアの海、下側には一部オーロラ海と思われる地形が見えています。極冠は見えないと思っていたのですが他人の投稿画像など見ると右下の白っぽいのが極冠のようです。モノクロ撮影ですが火星はカラーがいいですね。
OrionVX12ニュートン式反射(30cm, F4)の焦点距離を5xバーロレンズで拡大。ZWO社ASI260MMカメラで30秒間の動画撮影。2018年4月3日05時44分。

2018年4月2日月曜日

今朝(4月2日)の木星と土星

いよいよ木星、土星、火星の3外惑星が観望の好機となりました。特に木星は5月9日に衝を控え夜半には南の空に見えます。引き続いて土星は6月27日、火星は7月28日に衝となり太陽の180度の位置に来ます。残念なのは今シーズンの3惑星はいずれも南中高度が低く、気流の悪影響を受けやすいことです。加えて当方の観測室は南東側に30度余の山で視界を遮ぎられており南中後の観測が十分にできません。今朝は夜半過ぎに木星を、日の出直前に土星をそれぞれ南中の頃に撮影しました。晴天が続いているので好シーイングを期待しましたが通常よりやや良い程度でした。シンチレーション軽減のため月面拡大撮影用の赤外線透過フィルターを用いたモノトーン撮影です。
OrionVX12ニュートン式反射(30cm, F4)の焦点距離を5xバーロレンズで拡大。ZWO社ASI290MMカメラで1分間の動画撮影。左、木星:2018年4月2日01時13分、右、土星:同05時23分。