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2018年3月31日土曜日

M106銀河(3月11日)

 やはり背景に多くの系外銀河がひしめいているおおぐま座のM106を紹介します。中央の色彩豊かな星雲がM106です。その上方には比較的大きい紡錘形の系外星雲が3つ見えています。拡大するとさらに細かな星雲が見えてきます。M106までの距離は2300万光年ですから、微小な銀河は1億光年から何十億光年も遠くにある、名もない星雲ということになるでしょうか。宇宙の広大さを感じる画像です。 拡大画像を添付します(4月7日)

撮影情報は前項のM101と同じ。2018年3月11日0時53分。

2018年3月30日金曜日

M101回転花火銀河(3月11日)

 春の北天、南天は大小様々な形の銀河で溢れています。すでに16日と17日にRC6鏡筒で撮影した北天の銀河を紹介しました。その中にもありましたが、「回転花火銀河」と称されるM101をもう一度紹介させて戴きます。この1年ほどで天体導入と自動ガイドという撮影に必須なインフラ整備が終わり、条件さえ良ければ星を気持ちの良い点像で表現できるようになりました。そのようにして撮影した銀河の画像を見て驚くことは、目的の銀河の背景に無数の多くの銀河がひしめいていることです。下の画像ではそれを強調するためM101を小さく、背景を広くしてみました。画像を拡大してみると、小さくても紡錘状はすぐに銀河とわかりますが、ややぼけた星かと見える円盤上の銀河が沢山見えます。100個あるいはそれ以上写り込んでいるでしょう。これぞディープスカイの醍醐味です。下にM101の拡大を示しています。
Celesteron AdVX赤道儀に載せたタカハシFC100DL (10cm屈折、f=590mm)直接焦点。EOS6D(Seo-SP), ISO3200, 露出3分x8枚コンポ。PHD2によるオートガイド。2018年3月11日01時21分。うすずみ温泉駐車場にて。

2018年3月21日水曜日

月の名所めぐり(大クレーター)(2月26日)

「月面の名所 -その2-」は南部の大クレーターです。クラビウスとティコはこれまでも何度か紹介していますが、今回のはこれまでのどの画像より精細です。

1.クラビウス
 直径250キロにおよぶ大クレーターで、クレーター底には大小多くのクレーターが散在しています。
VX12反射赤道儀、ASI 224MCカメラで30秒間動画撮影し画像処理。2018年2月26日20時55分。

2.ティコ
直径85キロの丸いクレーターです。大きさはそれほど大きくないのですが満月頃にはこのティコを中心に周辺に向かって何本もの光の筋(光条)が月面全体に広がります。2018年2月26日20時51分。

2018年3月20日火曜日

山脈を撮り込んだ名所めぐり(2月23日、26日)

ここのところディープスカイの画像が続きましたので今回は月面の名所めぐりです。名所でも山脈が画像内に写りこんだものに限定しました。

1.アルキメデスとアペニン山脈
左側にアルキメデスとその下側にアルキメデス山脈が、右側にアペニン山脈が走っています。かなり起伏の激しい複雑な地形です。スジのような細い谷が多数見えています。2018年2月23日17時18分。Orion VX12(30㎝、f=120cm)反射望遠鏡にASI 1744またはASI 224 CMOSカメラで動画撮影(30秒)したものを静止画としました。

2. アルプス山脈とコーカサス山脈の交差点
 アルプス山脈を鋭くえぐるアルプス谷、アルプス山脈とコーカサス山脈の間に位置する埋没クレーターのカッシーニ、周壁の発達したアリストテレス(右上)など名所がびっしりです。撮影条件は1.と同じ。撮影:2018年2月23日17時23分。

3.コペルニクスとカルパチア山脈
カルパチア山脈はコペルニクスの北側に連なり、弧峰であるコペルニクスの傘のような印象です。ごつごつした他の山脈とは異なり、平べったい台地が不規則に並んだように見え、成因の違いが示唆されます。2018年2月26日20時07分。

2018年3月17日土曜日

春の系外銀河 -その2- (3月13~14日)

引き続き北天の春の系外銀河です。おおぐま座、りょうけん座とかみの毛座には多くの天の川銀河の外の銀河(系外銀河)が星と見紛うほどの小さなぼけた点としてたくさん写ってきて驚きます。比較的みかけの大きい星雲は10個ほどありますがそれぞれ個性が強くて撮影が楽しくなります。昨日に続き、3月13日から14日にかけて撮影した4個の系外星雲を紹介します。
比較的大きいとは言ってもM101とM81の長径が30分(1度の半分、月の視直径とほぼ同じ)弱、M82とM51は長径が10分強の大きさでしかありません。撮影にはシャープで焦点距離の長い明るい像を結ぶ望遠鏡が有利になります。明るい像を結ぶレンズは高価なのでその点を多少我慢しRC-6リッチークレチアン反射望遠鏡のシャープさと長焦点と明るさ(F9)を活用しています。RC-6 (MicroTech) (15cm, f=1350mm, F9)にキャノンEOS60D(HKIR換装、APS-C)にて直接焦点撮影。ISO3200, 5minで撮影した4枚をコンポジット。ステライメージ6、Photoshop CCで画像処理。撮影時刻 M101, 2018, 3, 13, 22時52分~; M108, 22時17分~;M63, 23時40分~; M94, 14日00時07分。

2018年3月16日金曜日

春の系外銀河(3月13日)


36日から15日までの一週間は珍しく晴天が長く続き、なんと4日間も淡墨へ遠征しました。特に13日と14日はいずれも明け方までの長時間観測でした。1)ネビュラフィルターのテストのほか、2)ステラショットとPHD2オートガイドの併用の是非の確認などについて一定の成果を得ることができました。すでに1)の一部はブログで報告(38日、9日)していますが、今回は2)で撮影した画像を紹介します。
RC-6 (MicroTech) (15cm, f=1350mm, F9)にキャノンEOS60D(HKIR換装、APS-C)にて直接焦点撮影。ISO3200, 4min (M81)又はISO5000, 5min (M82, M51)で撮影した4枚をコンポジット。ステライメージ6、Photoshop CCで画像処理。撮影時刻 M81, 2018, 3, 13, 20時56分~; M82, 21時52分~;M51, 23時11分~。ステラショットでは、天体を導入し続いてオートガイドを実施するのが通常の使い方ですが、オートガイドの不安定性を感じたため、QHYガイド用カメラをステラショットとは独立した形でPHD2制御でオートガイドを試みました。ステラショットとPHD2の望遠鏡制御用ポートが同じなので同時使用はできず、一方を使うときは片方をオフにする必要がありますが、ステラショット用に配線、設置したQHYカメラ、赤道儀とパソコンをそのままのセットで使えてパソコンは1台で済みます。ステラショットによる容易な天体導入とPHD2制御の安定したオートガイドが実現できたようです。

2018年3月9日金曜日

UHCネビュラフィルター その2(3月6日)

引き続いて以下UHCフィルターを通した冬の赤い星雲です。雲のせいですべてノータッチガイド、1枚きりから4枚コンポジットまで条件いろいろです。画像も荒れていますが今回はフィルターテストということで条件設定不備はお許しください。前回と同じく、UHCフィルターでメリハリの利いた画像を得やすいことがわかりました。
 勾玉星雲(IC405)
FC-100DL(FL590mm)にUHCフィルター装着EOS60D直接焦点。ISO6400, 露出1分。2018年3月6日20時36分。1枚のみ。うすずみ温泉駐車場
1枚きりなので像がかなり荒れていますが、ほぼ直角に曲がった淡い下側の星雲も写っていてUHCの効果でしょう。
 オリオン大星雲(M42+M43)
2018年3月6日21時35分~40分、4枚コンポ。
背景色を青から黒くしただけです
 馬頭星雲(IC434)と燃える木星雲(NGC2024)
2018年3月6日21時46分~49分、2枚コンポ。
燃える木星雲が赤っぽくなってしまいました。本来はもう少し肌色がかっています。
 ばら星雲 (NGC 2237-9,NGC 2246)
2018年3月6日21時53分~55分、2枚コンポ
コンポ枚数が少なくかなり画像が荒れています。
かもめ(わし)星雲(IC2177)
2018年3月6日22時4分~8分、3枚コンポ。
かなりの露出不足です。

2018年3月8日木曜日

UHCネビュラフィルター(3月6日)

 IR換装カメラであっても散光星雲、特に赤いHα線を発する星雲をクリアに撮るのは難しいものです。そこで一般によく使われている星雲向けのネビュラフィルターを使ってみることにしました。まずUHC (Ultra High Contrast)というフィルターです。EOS APS-C用のオプトロンブランドをシュミットから購入しました。星雲の放つ光の波長付近を選択的に通すフィルターなので、赤い星雲の代表格であるカリフォルニア星雲と、中心部から電離水素ガスバーストを起こしているM82銀河の画像を紹介します。雲のためオートガイドできず、高ISO設定で露出を1分に切り詰めました。結果として、これら対象にUHCフィルターを使うとメリハリの利いた画像になることがわかりました。

1)カリフォルニア星雲(NGC1499)
 ペルセウス座 ξ (グザイ) 星は非常に青さの強い星でカリフォルニア星雲の赤い色と美しいコントラストを成しています。UHCフィルターは赤も青も強調しているようです。特に色バランスが乱れるという印象はありません。撮影時にうす雲が広がっていたため明るい ξ 星はハローが出てしまいました。
タカハシFC-100DL (レデューサーでf=590mm) にEOS60D(ISO6400, 1分間ノータッチガイド)による直接撮影。2018年3月6日20時42分から撮影した4枚の平均加算コンポジット。うすずみ温泉駐車場にて。

2)M81とM82
  M82は中心部から赤いガスが噴き出しているのでこれを強調できるかどうか試してみました。期待通り赤いバーストが強調されています(画像内左上)。
撮影条件は上に同じ。2018年3月6日20時16分から撮影した2枚の平均加算コンポジット。