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2019年12月29日日曜日

嵐の大洋 -ある瞬間-(12月21日)


 下弦過ぎの月面。嵐の大洋では日没が続きます。虹の入り江のジュラ山脈の山影が虹の入り江に落ち始め、コペルニクスの周壁東半分が今にも闇に消え入りそうな瞬間を捉えています。2019年12月21日06時07分08秒。Orion VX12S (D30cm, FL120cm), パワーメイト x 2.5,  ZWO社ASI183MMカメラ、IR685パスフィルター、EQ6Pro赤道儀。

2019年12月15日日曜日

ふたご座流星群、出現(12月15日)


12月15日01時40分~05時02分までの3時間22分に、北極星や北斗七星近くを流れた流星8個を一つの画面に現しました。実際には10個出現しましたが雲が多いので2個除外しました。赤道儀で追尾されているので、星や流星の位置は実際のままです。雲が画面を横切ったり、近くの月がハレーションしたりで非常に見苦しくなっていることをお詫びします。8本の流星の軌跡をもとにたどる(上に延長)とふたご座の輻射点あたりに収れんしますので、すべてふたご座流星群に属する流星と考えられます。出現した順に番号を付けたのが下の画像です。出現位置と時刻にはとくに規則性はなくランダムに出現していることがわかります。撮影条件:EOS6D(HKIR)(サムヤン24 mm F2.8レンズを装着)をEQ3赤道儀で追尾。ISO400, F2.8, 10秒撮影, 1秒インターバル。流星+の画像8枚をDSSコンポジット。モノトーンで表現してあります。岐阜市内自宅にて。


ふたご座流星群(12月14‐15日)

満月の2日後、しかも雲が多いという悪条件でしたが、ふたご座流星群の観察と撮影を試みました。示したのは、15日02時32分頃に出現した今回撮影できた中で最も明るかった流星です。カペラとM45 の間を飛んでいますのでふたご座群に属すると思われます。F4.5、ISO800での撮影ですので、肉眼での確認はできていませんが相当明るく見えたことでしょう。明るい月は非常に邪魔ですが、おかげで自宅庭でもうすずみ温泉でも条件が変わらないのはメリットかも。キャノンEOS6D (Seo-SP), タムロン25-300mmズーム (25㎜、F4.5にて), 撮影20秒、インターバル 1秒。スカイウオッチャーEQ3赤道儀による追尾撮影。岐阜市内自宅にて。

2019年12月8日日曜日

シラー・ズッキウス・ベイスンとバイイの大きさ比べ(9月24日)(星ナビ1月号、星ナビギャラリーに入選)

星ナビ1月号(2020年)に入選しました。今回は、シラーの南西部に広がる大クレーター様の構造物、シラー・ズッキウス・ベイスンとさらにその南に位置する月面表側の最大クレーター、バイイを同一画面に取り込み、両者の大きさを比較しました。拡大率を変えて3枚応募し、強拡大したものが採択されました。
撮影条件、画像処理など: 英オライオン社 VX12 (D30cm, FL120cm)(テレビュー社パラコアタイプ2を装着) + テレビュー社パワーメイト  5 x  (合成焦点距離 600cm, 合成F20)、ZWO社ASI183MM CMOSカメラ、バーダー社 IR685パスフィルター、ケンコーEQ6pro赤道儀。2019年9月24日05時56分02秒から約30秒間動画撮影 (300フレーム)。Autostakkert!3でスタッキング、RegiStax6でウエブレット処理、ステライメージ8と PhotoshopCCで画像調整。 
【作者のコメント】シラーとズッキウスの間に広がる地形は、シラー・ズッキウス・ベイスン(SZB)と呼ばれ損壊した巨大クレーターを彷彿とさせます。そこでこの地形のすぐ南側に位置するバイイを同じ構図に写し込む ことで両者の大きさを比較してみました。画像の実測によってSZBの長径はバイイ(直径300㎞)の約1.2倍とわかりますのでSZBの大きさは約360㎞と推定されます。バイイは月の表側で最大のクレーターでSZBの巨大さがわかります。
【星ナビギャラリーのコメント】古川さんは、2019年8月号ではシラー・ズッキウス・ベイスンだけを捉えていましたが、今回は位相を変えてバイイまで入れた大きさ比較です。おもしろい狙いです。


2019年12月6日金曜日

バブル星雲の周辺(11月20日)

バブル星雲の近くには、クワガタ星雲をはじめいくつかの赤い星雲があり、ケフェウス座のIC1396へとつながっています(画面右側)。これらの星雲は淡いのでHα線対応のフィルターが必要で今回はQBPの使用です。そのほか、バブル星雲の右上にみえる散開星団M52とバブル星雲との赤白のコントラストが目を引きます。撮影条件:前項の「バブル星雲」は本画像をトリミングしたもの。したがって条件は同じ。

バブル星雲(NGC7635)(11月20日)

バブル星雲は、カシオペア座のW文字をはさんで、ハート・ソウル星雲と反対側に位置しています。赤い星雲を背景に浮かぶシャボン玉状構造は、その中心に存在する恒星からの恒星風によってつくられているとか。不思議ですね。シャボン玉そっくりです。撮影条件:セレステロンAVX赤道儀(PDH2によるオートガイド)、タカハシFC-100DL (D100mm, FL580㎜),  キャノンEOS6D (SEO-SP), QBPフィルター, ISO6400, 露出4分。 10枚コンポジット。2019年11月20日23時56分‐21日00時37分。総露出時間 40分。

2019年12月1日日曜日

今シーズンのアンドロメダ銀河(11月30日)

アンドロメダ銀河(M31)は、秋を代表する天体ですが、今年は夏から秋まですっきりした空に恵まれず、撮影できたのは晩秋のこの時期となりました。天体が放つ4種類の波長を選択的に透過させるQBPフィルターを使ってコントラストを高め、19枚の画像によるコンポジットや、Nik collectionで画像処理することで 精細化を図りました。Hα線も強調されるため、銀河の外縁部分に並ぶ赤い散光星雲の存在がわかります。撮影条件:タカハシFC-100DL (D100mm, FL1200mm), キャノンEOS6D(Seo-SP4) ISO6400, 露出4分。PHDガイドによるセレストロン Advanced VX赤道儀。2019年11月30日21時56分~23時07分。