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2019年4月28日日曜日

しし座のトリオ銀河(4月27日)

 久しぶりの晴れ間にうすずみ温泉へプチ遠征しました。雲の切れ端があるもののまずは快晴の星空となりました。ただし25時頃には下弦の月が昇ってくるのでそれまでの限定です。春と言えば系外銀河です。いろいろ考えましたが本日の最初のターゲットをしし座のトリオ星雲(M65, M66, NGC3628)としました。高度が高くうすずみ温泉の泣き所である南側の影響が小さいからです。M66とM65の渦巻構造をとらえたいと思いFC100 DLで撮影枚数を多くしました。QBPフィルター忘れたため、なしでの撮影です。
タカハシFC100DL (reducer, 590mm, F6), EOS kiss 7i, ISO3200, 露出2分。スカイウオッチャ- EQ3赤道儀ノータッチガイド。2019年4月27日21時34分から。23xDSSコンポジット。うすずみ温泉四季菜館駐車場にて。



2019年4月23日火曜日

トールの兜星雲(4月4日)

中央やや下にあるこじんまりとした星塊は、「ールの兜星雲」と呼ばれるNGC2359です。左上の大きな赤い星雲は「かもめ(わし)星雲」で両星雲の接近ぶりがわかります。兜の角のような形がわかり、案外写りの良い星雲です。
タカハシFS60CB屈折望遠鏡にEOS6D(Seo-SP), QBPフィルター、ISO6400, 露出3分。2019年4月4日20時49分から。DSSで4枚コンポジット。Nik Collection Color Efex Pro で最終処理。うすずみ温泉四季菜館駐車場にて。

2019年4月20日土曜日

バラ星雲からクリスマスツリー、カタツムリ星雲(4月4日)

 桜の頃になると冬の星座は足早に西に沈んで行きます。しかし昇ってくる春の星座は地味でおとなしく、華やかな最後の輝きを撮影しました。(右側が南)
FS60CB (D6cm, FL25cm), EOS6D ISO6400 exposure 180sec, 2019, April, 4, 21h:46m, at Usuzumi 







湿りの海(4月16日)

 昨年11月末を最後に月面の拡大撮影ができる好シーイングはなかなか巡ってきませんでした。4月に入り上弦の月が高くかかるようになってようやくチャンス到来となりました。ここ2,3年はZWO社のASI174MMカメラを使い続けてきましたが解像度改善を目的に新たにASI183MMを導入しました。183MMカメラのセンサーは対角15.86 mm(1型)で約2048万の有効画素をもち、画素数は174MMカメラの約9倍もあります。画像の取り込み時間が長いデメリット面もありますが、最終的に高解像が狙えるのではないかと期待しました。以下に183MMで撮影した最新画像を掲載します。普段174MMでは5x拡大パワーメイトを使っていましたが183MMでは5xのほかに2.5xも有効に使えます。つまり画像は小さくても解像度が十分高く鑑賞に耐えます。今後有力なツールとなりそうです。
「湿りの海付近」
Orion VX12 (D30cm, FL120cm, F4), Zwo ASI183MM, 2.5x power mate, 約60秒動画撮影 (300フレーム), 2019年4月16日21時16分 (自宅にて)

2019年4月11日木曜日

おおぐま座の反射星雲の検出(4月4日)

 北天の淡い反射星雲(分子雲)の検出を試みた。有名な三本松さんの書かれたガイドによれば、条件の良い、暗い空で撮影した多数(数十枚)の画像が必要とのこと。さらに現場で撮影したフラットフレームも不可欠とのこと。対象が淡いこともあり、よい画像を得るには手を抜いてはいけないようだ。しかし撮影時間も半端でなく、労力は大変なものである。よい画像はほしいが何とかこの過程を省力化できないものかと考え、最底限の画像を用意し、Nik Collection を使ってみることにしました。
    QBPフィルター付きのFS60CB屈折(6cm, f=25cm, F4)にEOS6D (HKIR) (ISO6400, 露出3分)で撮影した10枚のRaw画像をDSSでコンポジット処理し、明るさ、コントラスト処理で調整しました(下の画像1)。中央のやや上に見えるのがM81とM82銀河です。これをMicrosoftのフリーソフト Nik Collection、Color Efex Pro 4で処理(ディテール強調67%, コントラスト67%, 彩度36%)したのが画像2。また、画像1をHDR Efex Pro 4 処理(structure 50%)したのが画像3。CEP処理とHDR Efex Pro 4 処理を両方実施したのが画像4です。星雲の可視化にCEP処理が有効であること、CEP処理後、HDR Efex Pro 4 処理を加えると星雲がさらに明瞭になることがわかります。こういった画像処理の組み合わせで撮影時間を短縮できれば撮影意欲が高まり撮影機会が増えるものと期待しています。さらに他の領域でも検討してみたいと思います。


2019年4月6日土曜日

ヒッパルス渓谷(2018年8月6日撮影)(星ナビ5月号、星ナビギャラリーに入選)

 4月5日に発売された「星ナビ5月号」の星ナビギャラリーに月面写真「ヒッパルス渓谷」が掲載されました。星ナビ入選は今年の2月号以来です。
【本人の説明とアピール】 ヒッパルス渓谷は湿りの海の東側を南北に走るアーク状の渓谷です。また湿りの海のリンクルリッジと渓谷がほぼ同じアークを描いていることから相互に成因と関わっていることが示唆されます。
【星ナビの寸評 (他の入選作1点との合評)】湿りの海の両側を撮影した秀作を2点並べました。どちらの作品も月面を高精細に捉えています。撮影日が違うので太陽光の当たる方角は逆ですが、両写真を上下にずらせばつながります。湿りの海の東側や西側には、同心円状の幾筋もの谷(断層)があり、湿りの海の中にはリンクルリッジを見ることができます。
英オライオン社 VX12 (D30cm, FL120cm) (テレビュー社パラコアタイプ2を装着) + テレビュー社パワーメイト 5x (合成焦点距離600cm, 合成F20), バーダー社 IR685パスフィルター,  ZWO社 ASI174MM CMOSカメラ, ケンコーEQ6Pro赤道儀。2018年08月06日03時45分46秒から15秒間の動画 (1,071フレーム) を、Autostakkert!3でスタッキング、RegiStax6でウエブレット処理、ステライメージ8とPhotoshopCCで画像調整。