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2016年9月27日火曜日

クラビウス三態(今年1、5、9月)

悪天続きで全く天体観望のチャンスがありません。古いクラビウスの画像を並べてみました。クラビウスは月面南部で最も目立つクレーターで、直径250kmと最大級、内部には大小クレーターが散在しています。この内部構造の見え方はシーイングの良し悪しや画像解像度の指標になっています。この3つの画像は、左は月齢11日前後、中と右の画像は月齢22日前後、つまり、夕方と明け方に撮影したものです。その違いわかりますか? ZWO社A1224カメラで撮った9月(左)、5月(中)の画像はそうでない1月の画像より精細な構造を捉えることができています。

2016年9月21日水曜日

ケフェウス座の花火銀河 (NGC6946) と散開星団 (NGC6939)(9月10日)

ケフェウス座の渦巻き銀河 NGC6946(左上) と散開星団NGC6939(右下)は見かけ上接近しており、渦巻き星雲と散開星団との美しいコントラストを成しています。しかし両者の実際の距離は大きく異なります。NGC6946は2250万光年のかなたにあり、ガスが多くて新しく星が生まれる環境があるとのこと。散開星団(NGC6939)は銀河系内の3900光年で距離はその約500分の1ということになります。NGC6946はその形から花火星雲とも呼ばれ、おおぐま座の回転花火星雲M101と形が似ています。2016年9月10日02時39分~、8cmED屈折直接焦点。EOS kiss 7iにてISO3200、露出3分。4枚コンポ。うすずみ温泉駐車場にて。

2016年9月20日火曜日

カリフォルニア星雲(NGC1499)(9月10日)

 ペルセウス座にある散光星雲でありアメリカ合衆国のカリフォルニア州に形がにているためカリフォルニア星雲(NGC1499)と呼ばれている。Hα輝線で光る代表的な赤い星雲である。EOS6D、ISO3200で3分間露出。4枚のコンポジット、ステライメージ6で画像処理。2016年9月10日0時30分~。うすずみ温泉駐車場にて。

2016年9月15日木曜日

ケフェウス座IC1396散光星雲(9月10日)

A: 300mm望遠レンズ(EOS-6D, ISO32003分露出、4枚コンポ)像を示します。赤い星雲全体がIC1396です。星雲内左上の赤い星はガーネット星と呼ばれる赤色巨星(変光星でもあり35等星)です。中央の青い星の右側に「象の鼻」と呼ばれる暗黒星雲IC1396Aがあります。Bに拡大したものを示します。
B8 cm ED屈折(560 mm)(EOS kiss 7i, ISO3200で露出3分、4枚コンポ)による像で、Aの□部分を拡大した画像になります。Bの楕円で囲んだ部分が「象の鼻」です。生まれたばかりの若い星がたくさん集まっているそうです。
A, Bいずれも2016年9月10日3時12分~30分に撮影。うすずみ温泉駐車場にて。


2016年9月13日火曜日

らせん状星雲 NGC7293 (9月9日)

らせん状星雲 (NGC7293)は南空低いみずがめ座、みなみのうお座1等星のファーマルハウトの北側に位置する惑星状星雲です。リング中央の星によって星雲が輝いており、赤いリングとリングの中の薄いブルーが美しいコントラストを醸しています。惑星状星雲としては大きく、満月の半分くらいあります。
 6月4日にパンスターズ彗星がこの星雲の近くを通りました(もちろん見かけ上)。その1日前の6月3日にダナ高原で彗星を撮影できましたが同一視野でのツーショットにはなりませんでした(6月3日付で当ブログに掲載)。
キャノンEOS kiss 7i (ISO3200、露出1分)で8cmED屈折直接焦点。2016年9月9日11時54分~59分に撮影した5枚をコンポジット。ステライメージ6、Photoshop CCで画像処理。

2016年9月12日月曜日

アンドロメダ銀河M31とさんかく座銀河M33 (9月9日)

1)アンドロメダ銀河(M31): 秋の夜空に彩りを与えるのがアンドロメダ銀河です。圧倒的な存在感をもち、撮影の機材や撮り方によって写り方もさまざまです。ブログにはこれまで何回も画像を掲載してきましたが、今回はこれまでと一味違う姿をお目にかけましょう。確実なガイド、透明度とコンポジット数などによると考えられます。
 キャノンEOS kiss7i (IR換装)による8㎝ED屈折の直接焦点像。M-gen制御のEQ3赤道義。2016年9月9日22時40分~23時05分。ISO3200、露出3分間の画像を8枚コンポジット。

キャノンEOS 6D (IR換装)による300㎜望遠レンズ像。M-gen制御のEQ3赤道義。2016年9月9日22時40分~23時05分。ISO3200、露出3分間の画像を8枚コンポジット。

2)さんかく座の銀河(M33): アンドロメダ銀河とほぼ同じ距離(250万光年)にあり、我々の銀河系とアンドロメダ銀河と局所銀河群を構成しています。見かけの大きさもアンドロメ座銀河の1/4程度あり、比肩しうるものです。明瞭な腕が何本か認められます。
キャノンEOS kiss7i (IR換装)による8㎝ED屈折の直接焦点像。M-gen制御のEQ3赤道義。2016年9月9日22時17分~23時32分。ISO3200、露出3分間の画像を5枚コンポジット。

キャノンEOS 6D (IR換装)による300㎜望遠レンズ像。2016年9月9日22時17分~23時32分。ISO3200、露出3分間の画像を4枚コンポジット。

2016年9月11日日曜日

白鳥座の赤い星雲 (9月10日)

9月に入ったとはいえ白鳥座は夕方の中天にかかり、絶好の撮影時期。そこで300mmの望遠レンズと、560㎜の8cm ED屈折の二つの光学系を用いて白鳥座の赤い星雲にチャレンジしました。8日に続き9日も晴天となり素晴らしい星空が広がりました。2016年9月10日午前1時から3時、岐阜県本巣市根尾門脇、うすずみ温泉駐車場にて。

1)網状星雲: 5万年前の超新星爆発のなごりで、淡い星雲が両方向に広がっています。300㎜望遠では視野内に全貌を、8㎝屈折では片方だけの撮影となりました。9月10日2時18分~30分
 キャノンEOS 6D(IR換装)にタムロン28-300mmズームの300㎜(F8に絞る)で撮影。ISO3200、露出3分。4枚をコンポジット。一口に網状星雲と言いうが複数の星雲から成っており、左側はNGC6992-6995、右側はNGC6960。画像処理によって強調しなんとか見えています。

 キャノンEOS kiss 7i (IR換装)に8cm屈折にて撮影したNGC6992-6995。ISO3200、露出3分。4枚コンポジット。

2)北アメリカ星雲:  その形からこう呼ばれる大きな星雲です。すぐ右側にはペリカン星雲があります。白鳥座デネブの近くにあり天の川に埋もれていますが目立つ存在です。
 300㎜望遠レンズでISO3200、露出3分にて撮影。4枚コンポジット。9月9日1時6分~20分。

  8㎝ED屈折にて、ISO3200、露出3分にて撮影。4枚コンポジット。9月9日1時6分~20分。

3)サドル付近の星雲: 白鳥座γ星、サドルの周辺には赤い星雲が散在しています。
 中央の輝星がサドル。300㎜望遠レンズ。ISO3200、3分。4枚コンポ。9月10日1時32分~45分。

8㎝ED屈折(560㎜、F7)にて、ISO3200、3分。4枚コンポ。9月10日1時32分~45分。

2016年9月9日金曜日

うすずみ温泉にて(9月8日、その2)

8cmED屈折(F7、560mm)の直接焦点像をキャノンEOS kiss 7iで撮影し、みかけの大きさをそのままに、4つの星雲像を1枚にまとめたものです。ISO3200、露出1分。EQ3赤道義ノータッチガイド。うすずみ温駐車場にて。2016年9月8日21時53分~22時59分。M31(アンドロメダ銀河、左)、M27(アレイ星雲、右上)、M13(球状星団、右中)、NGC7293(らせん星雲、右下)

うすずみ温泉にて(9月8日その1)

台風一過ながら雲の多い天候の中、晴れているところを局所的に狙って撮ったものです。ガイド不十分(ノータッチガイド)、突然雲、1枚きり、などかなり無理があります。空間の広がりを表そうと思い、トリミングなしで掲載しました。キャノンEOS6Dにタムロン300mm(28-300mmズーム)、ISO3200、露出1分。うすずみ温泉駐車場にて。2016年9月8日21時53分~22時59分。
M31(アンドロメダ銀河)

 M27(アレイ星雲)

NGC7293(らせん星雲)

2016年9月4日日曜日

干潟星雲、三裂星雲、彼岸花星雲と出目金星雲 (8月31日、しらびそ高原)

干潟星雲(M8、左)と 三裂星雲(M20、右)

 彼岸花星雲(NGC6357)

出目金星雲(NGC6334)

 いずれも天の川中心部付近の赤い星雲です。特に彼岸花星雲と出目金星雲は高度が低いため南の空が暗くないと写すことができません。しらびそ高原は絶好の条件を備えており、初めて出目金星雲を撮影することができました。
 昨日は300mm望遠レンズで撮影した画像をブログ掲載しましたが、同じ星雲を8cm屈折直焦点で撮ったものを掲載しています。M-gen制御EQ3赤道義に載せた8cmED屈折(F7, Capri, 笠井トレーディング)のキャノンEOS kiss 7i (IR換装) 直焦点像です。ISO3200, 露出3分。2016年8月31日21時34分~(M8, M20)、19時51分~(彼岸花)、19時40分~(出目金)。

2016年9月3日土曜日

秋の気配(8月31日、しらびそ高原)

この夏も悪天続きでしたね。晴れるチャンスがあるとしらびそにやってきました。
前夜は夜半から曇ってしまい残念でした。9月1日早朝の空はすっかり秋の気配です。

M17とM16
夕方から午後11時頃までは素晴らしい星空が広がりました。M-genオートガイダー制御下のEQ3赤道義に載せたキャノンEOS 6D (IR換装)にタムロン28-300mm望遠レンズを装着し、300㎜(F6.3をF8に絞る)でISO3200、3分間露出で撮影。2016年8月31日22時14分~40分。4枚をコンポジットし、ステライメージ6で画像処理。 

M8とM20
撮影条件上と同じ。2016年8月31日21時41分~57分。 

彼岸花星雲(NGC6357)と出目金星雲(NGC6334)
撮影条件上と同じ。2016年8月31日19時51分~57分。