ページ閲覧数

2020年1月28日火曜日

魔女の横顔星雲(1月21日)

オリオン座周辺の星雲4つ目です。今回はリゲルの隣で淡い光を反射している「魔女の横顔星雲(IC2118)」です。赤が主体のオリオン座の他の散光星雲に比べ、白/青っぽいのが特徴で、離れた恒星の光を反射する淡い光芒です。リゲル(左下の輝星)の下方にみえる淡い赤い星雲はバーナードループの西南端です。FS60CB (D60mm, FL255mm) /EOS6D (HKIR改造)をEQ3赤道儀に載せて、ISO12800, 3分露光。ノータッチガイド。QBPフィルター使用。撮影時刻:2010年1月21日22時36分~23時07分。10枚コンポジット (DSS)。

2020年1月27日月曜日

オリオン座バーナードループ東岸(1月22日)

バーナードループは四角形のオリオン座を円形に縁どる赤い星雲で、古く銀塩時代から今日のデジタル時代まで変わらないオリオン座の代名詞です。しかしデジタルカメラで比較的容易に写せるようになった現在でも高解像の画像はあまりみないように思います。今回はループの東側をM78とともに撮影してみました。驚いたのは、ループとM78の間をつなぐような淡いまっすぐなフィラメント構造が見えることでした。artifactsの可能性も考えられたので他の方の画像をネットで調べてみますと、確かに同じものが写っていました。今後、ループのほかの部分についても拡大画像を撮ってみたいと思います。
 FS60CB屈折鏡/EOS6D(HKIR改造)をEQ3赤道儀に載せノータッチガイド。ISO12800, 露出3分。QBPフィルター。2020年1月22日00時42分~01時13分。

2020年1月26日日曜日

西に傾くオリオン座(1月22日)

少し星景っぽいもので季節を感じることにしましょう・・。
冬の星座オリオンが夜半過ぎには西に傾くようになり、「春近し」を感じさせるようになってきました。バーナードループがうっすら見えています。これは、夕暮れ時北の空を昇り始める北斗七星と同じ、春を待つメッセージですね。今年は暖冬であるだけでなく季節の巡りも早まっているようです。ここのところの悪天続きはなんと「菜種梅雨」の走りらしいです。結果、冬の晴天日が少なくなって撮影に行ける日が減っています。
 EOS60D (APS-Cサイズ、HKIR改造)のボディに24㎜広角レンズ(F1.4をF4.0に絞る)とソフトフィルターを装着。ISO1600、露出60秒。スカイメモSでガイド。2019年1月22日 00時45分。5枚コンポジット処理。うすずみ温泉にて。

オリオン大星雲と馬頭星雲(1月21日)

オリオン座中央部の定番の構図です。オリオン座は全体を淡い星雲に包まれていて、オリオン大星雲(M42+M43) や馬頭星雲近傍(IC434)は最も濃い部分になります。濃い星雲は容易に写せますが、淡い星雲は高い透明度や長時間露出を必要とします。今回の総露出は45分と短めですがNik Collection のColor Efex Pro4処理で引き出すことができました。撮影条件:スカイウオッチャーEQ3赤道儀に載架したFS60CB 屈折 (D60mm, reduced FL225mm) にEOS6D (HKIR)カメラボディーを装着し、ISO6400、露出3分で撮影。QBPフィルター使用。15枚の画像をDeepskystacker (DSS)でコンポジット。ステライメージ8、Photoshop CCなどで画像処理。撮影時間:2020年1月21日 21時37分~22時22分。うすずみ温泉駐車場にて。

2020年1月25日土曜日

馬頭星雲(1月21日~22日)

赤い散光星雲(IC434)の手前に馬の頭のような形をした暗黒星雲あり、馬頭星雲と呼ばれています。たまたま背景に明るい星雲があるので自力では光らない暗黒星雲がシルエットとして見えているわけです。馬頭星雲は本ブログで何回も掲載していますが今回は撮影条件がよく、これまでで最もよい出来と思います。左側の輝星はオリオン座三ツ星の左端の星アルニタク、アルニタクの下は燃える木星雲(NGC2024)です。
FC100DL屈折 (D10cm, reduced FL59cm)をPHD2ガイドAVX赤道儀に載架し,  EOS6D(Seo-SP4)(ISO6400, 露出4分)で撮影。10枚コンポジット。2020年1月21日23時29分~22日00時10分(総露出30分間)

2020年1月24日金曜日

勾玉星雲(IC405)(1月22日)

本当に久しぶりに透明度の高い夜でした。おかげでなじみの星雲が違って見えるほど良質な画像が撮れました。ISO感度を高めに設定し露出3~4分で10枚撮影という条件で、ひとつの対象に30~40分かけました。前回の遠征が11月で2カ月も前なのと、今回初めてPole Masterという正確な極軸合わせを使ってみたことなどでいくつかトラブルがあり、実際の撮影を始めたのは22時近くでした。さらに1時半ころには雲が出てきたため4つほどの天体しか撮影できませんでした。
 今回はぎょしゃ座の勾玉(まがたま)星雲です。起立部分には赤いフィラメント構造がよく見えています。このくらい細部が写ってくれると撮りがいがあります。しかし青いフィラメントはあまり見えていません。次回は感度と露出時間をいじってみるつもりです。
FC100DL屈折 (D10cm, reduced FL59cm)をPHD2ガイドAVX赤道儀に載架し,  EOS6D(Seo-SP4)(ISO6400, 露出4分)で撮影。10枚コンポジット。2020年1月22日01時50分~2時30分(総露出30分間)

2020年1月22日水曜日

2019年の天体撮影まとめ(その5 系内散光星雲)


銀河系内散光星雲
1. バブル星雲(NGC7635):10等級、距離11,090光年、カシオペア座。シャボン玉(バブル、泡)のような星雲が赤い星雲をバックに浮かんでいます。バブルの形はその中心からの恒星風によって丸く保たれているのだとか。
2. 北アメリカ星雲 (NGC7000)とペリカン星雲 (IC5067-5070)北アメリカ星雲:4等級、距離50光年、はくちょう座;ペリカン星雲 8等級、距離1800光年、はくちょう座。
 いずれもその形から名付けられた赤い星雲です。隣同士かと思ったらペリカン星雲の方が北米星雲より36倍も遠くにあります。
3. バラ星雲 (NGC2237-9, 2246)とクリスマスツリー星団 (NGC2264)バラ星雲:6等級、視直径80’、距離5500光年、いっかくじゅう座;クリスマスツリー星団:3.9等、視直径60’、距離2400光年、いっかくじゅう座。有名な二つの星雲、星団を一つの構図に収めてみました。バラ星雲はその名の通り、冬の夜に咲く深紅のバラです。また、右側の淡い大きな赤い星雲の中にひときわ赤く光る部分があります。この三角形がクルスマスツリーなのです。先端はその形からコーン星雲と呼ばれます。
4. ソウル(胎児) 星雲 (IC1848)とハート星雲 (IC1805)ソウル(胎児)星雲:6.5等級、視直径60’、距離6500光年、カシオペア座;ハート星雲:6.5等級、視直径60’、距離6500光年、カシオペア座。
ハート星雲はその名の通りハート型をしています。ソウル星雲は、heartに対してsoul(魂、精神)星雲と呼ばれます。日本ではこのsoulをかな読みにしてソウルと言ったり、胎児星雲と言ったりします。胎児よりは赤ちゃんの方がかわいいと思います。
5. オリオン大星雲 (M42)4.0等級、視直径 66’、距離1300光年、オリオン座。
 最も有名な散光星雲で肉眼でも容易に存在がわかります。鳥が羽を広げて羽ばたいているように見えます。しかし鳥の頭の部分はM43という別の星雲で、さらに上に少し離れた青い星雲はNGC1973という散開星団を囲む星雲です。オリオン大星雲に関しては多くの解説がネット上にありますので詳細はそちらをご覧ください。
6. IC1396星雲3.5等級、視直径170’、距離2500光年、ケフェウス座。
 大きな星雲でアンドロメダ銀河とほぼ同じサイズです。天の川を北にたどると淡い秋の天の川に埋もれています。淡いので全体をきちんと撮るのは意外に難しく、輝線対応のフィルターが必要です。星雲内にはガーネット星という明るい星があり、暗黒星雲が入り乱れて存在するのがわかります。
7. らせん星雲 (NGC7293)7.0等級、視直径12.8'、距離700光年、みずがめ座。
 最も大きい惑星状星雲です。らせんを正面からみたように見えることかららせんまたはらせん状星雲と呼ばれています。中心部は緑色から青色で美しく、非常に印象的です。また、筋状の構造物が中心部の内側を縦に走っており、構造の複雑さを物語っています。

2020年1月20日月曜日

2019年天体撮影まとめ(その4 系外銀河)

今シーズンは天候不順で撮影の機会が少なかったのですが、QBPフィルターの使用でよい画像がとれるようになりました。以下、撮影対象の簡単な説明です。
 アンドロメダ銀河(M31):視直径178’ (長軸)3.5等級、距離257万光年、アンドロメダ座。我々の「天の川銀河」の隣の銀河で、M33銀河と3つの銀河がグループを形成しています。みかけの大きさは長軸が178’もあり月(視直径31’)の6倍にもなります。肉眼では淡い部分は見えませんので月と同じくらいが実感と思います。標準レンズでも紡錘形が写りますが、望遠鏡を通して撮影するととても迫力ある渦巻銀河の姿を見せてくれます。  
  さんかく座銀河(M33):視直径62’ (長軸), 5.7等級、距離300万光年、さんかく座。天の川銀河、アンドロメダ銀河(M31)とグループを形成しており、M31についで大きく、肉眼でも見える渦巻銀河です。赤っぽい塊として内部の散光星雲が見えています。
  M81銀河: 視直径27’ (長軸)6.9等級、距離1200万光年、おおぐま座。二本の腕がよくわかります。
  子持ち銀河 (M51)視直径11(長軸)8.4等級、距離2300万光年、りょうけん座。伴銀河 (NGC5195) を伴っているため子持ち銀河と呼ばれます。
 回転花火銀河 (M101)視直径29’ (長軸)7.9等級、距離2087万光年、おおぐま座。その形から回転花火銀河と呼ばれています。比較的写真写りがよく、人気の高い渦巻銀河です。
 NGC253銀河 (スターバースト銀河)視直径25(長軸)7.1等級、距離1142万光年、ちょうこくしつ座。最近、中心部で活発に星が生まれている(スターバースト)ことがわかり、注目されている銀河です。

2020年1月18日土曜日

2019年天体撮影のまとめ(その3 彗星と星雲・星団)

1)ウイルタネン彗星とプレアデス (すばる) 星団    
  ウィルタネン彗星は19481月にウィルタネンが発見した、公転周期約5.4年の周期彗星です。4等星くらいまで明るくなったのに尾は淡くて肉眼で見えず、撮影しても可視化できませんでした。撮影日時:201812152245分~58

2) スイフト・ゲーレルス彗星とアンドロメダ銀河
  スイフト・ゲーレルス彗星は、1889年にスイフトが発見した周期彗星です。今回の撮影時は10等級と暗く、3.4等級のアンドロメダ銀河よりかなり見劣りしますが、アンドロメダ銀河の存在感が高いためすばらしい光景になっています。撮影日時:201811011942分~53

3) ジャコビニ・チンナー彗星とかもめ星雲
  ジャコビニ・チンナー彗星は、1900年にジャコビニが発見し、1913年にチンナーが再発見した公転周期6.6年の周期彗星です。かもめ星雲の近くを通過した108日と9日に撮影に成功しました。本体の明るさは8.1等しかありませんでしたが、尾がしっかり伸びた彗星らしい姿と、赤く大きいかもめ星雲とのコントラストは見事でした。撮影日時:20181090318分~31分。

2020年1月17日金曜日

2019年天体撮影のまとめ(その2 月面拡大 )



釣りは「フナに始まってフナに終わる。」とか言うようです。これに例えると、天体写真は「月に始まって月に終わる。」とも言えそうです。簡単に撮れるけれども、満足のいく写真を撮るのは難しい、のが月です。精細な月面写真を撮るには上空の気流の安定が第一で、猛暑が続く真夏や、大きな移動性高気圧に覆われる春や秋にそのチャンスが膨らみます。自信作ができれば天文雑誌に投稿し、掲載されることが励みになっています。


2020年1月16日木曜日

2019年天体撮影のまとめ(その1 木星、土星)

今シーズン(2018秋~2019秋)に撮影した天体画像をまとめました。まず最初は、木星と土星です。すでに本ブログに掲載したものばかりですが、あまり良い出来ではありません。撮影技術の未熟はもちろんですが、今シーズンは木星、土星とも南中高度が低かったため、シーイングの悪化、山や樹木など障害物による観測時間の短縮などの悪影響がありました。木星はあと1年、土星は3年程この状態が続きます。