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2017年2月10日金曜日

月面拡大撮影の改善(月齢6.1、2月3日)

 2月に入り夕方の月が見やすくなってきました。南中高度が高くなり南側の山林の上を通るようになるほか、気流の影響を受けにくくなります。月面の拡大撮影はZWOASI224カメラの使用によって改善し、撮像の解像度が高くなったことはすでに示してきたところです。さらなる改善を目指して撮像のソフトとスタッキングのソフトを変えてみました。
 撮像ソフトはASI224カメラについていたZWO社のSharpCaptureを使っていましたがフリーソフトのFireCaptureに変えてみました。両者で画質には違いがなく、使いやすさの点でFireCaptureがよさそうです。スタッキングソフトはこれまで使っていたRegiStax 6からフリーソフトのAutoStakker!2に変更してみました。AutoStakker!2は雑誌などでも推奨されている評判の良いソフトです。詳しいことはわかりませんがウエーブレット解析後の画像でみると解像度が良くなるようです。ウエーブレット解析はこれまで通りRegiStax6を用いました。
 23日は上弦の1日前ということで見どころはたくさんありますが、今回は「4つの海」を切り取ってみました。
VX12反射望遠鏡の直接焦点撮影。キャノンEOSkissx5ボディー,ISO200, 露出1/100秒。

1.    「夢の湖」
エウドクソス、ヘラクレスとポシドニウスが作る三角形の内側に「夢の湖」があります。またポシドニウス(右下)は「晴れの海」に面しています。

2.    「晴れの海」
中央部の孤独クレーター、ベッセルと半埋没クレーター、ルモニエが印象的です。  

3.    「静かの海」の西岸
ヒギヌス谷に連なるアリアダヌス谷が目を引きます。ユリウス・カエサルも半埋没クレーターでしょうか?海との間に段があるように見えます。

4.    「神酒の海」
クレーターのでき方を考えるとき、海の中央部の孤独クレーター、ロッスと大きな埋没クレーター、フラカストリウムが対照的です。また、大クレーター、テオフィルスの中央丘や内部の段丘の構造が見えます。

Orion社製 XV12反射鏡筒(30cm, f120cm)に2xバーローレンズ(ビクセン)で拡大した像をZWO社ASI224カラーカメラで撮像。15秒間の撮像(30fps)をスタック、ウエーブレット処理し、ステライメージ6とPhotoshop CCで画像処理。2017年2月3日17時59分~18時34分に撮影。


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